イオンエンターテイメント株式会社は、ベトナムの映画館運営会社BETA MEDIA JSC（本社：ベトナム・ハノイ市、代表：Bui Quang Minh）と合弁会社「AEON ENTERTAINMENT VIETNAM CO., LTD.」を設立した。これにより、同社は初の海外展開を果たす。
ベトナム市場での映画事業を強化
近年、ベトナムでは映画・イベント・デジタルコンテンツなどのエンターテイメント業界が急速に成長しており、市場の需要が高まっている。こうした状況を踏まえ、イオンエンターテイメントは現地での事業展開を加速させるべく、ベータメディアとの協業を決定した。
ベータメディアは「すべてのベトナム人に手頃な映画体験を」というミッションのもと、2014年に設立された。独自のデザインや運営コストの最適化により、高品質な映画体験を提供することで成長を続けている。
同社が運営する「ベータ・シネマズ」は、COVID-19流行前の映画館業界のピークであった2019年と比較し、2023年には150％増の収益成長を達成。現在、全国に20のシネマコンプレックスを展開し、年間600万人の観客を動員するなど、ベトナム映画市場における主要企業の一つとなっている。
2025年中にはベトナム国内で映画館1号店の開業を予定しており、ベータメディアの市場理解やマーケティング知識、ネットワークと、イオンエンターテイメントの日本国内での映画館運営ノウハウを融合させることで、映画鑑賞を超えた感動体験の提供を目指す。
日経新聞の報道によると、同合弁会社は2035年までに計200億～300億円を投資する予定。国内での出店が頭打ちとなり、日本のアニメ映画の配給も強みに海外に活路を見いだすとのことだ。
韓国の映画館のベトナムに進出している
ちなみに、韓国のシネコン運営会社CJ CGVもベトナムに進出している。同社のチェーンはベトナム国内で83のシネマコンプレックスと478のスクリーンを運営しており、市場シェアは45%にも及び、一位のシェアを持つ。同社は6カ国に進出しており、映画館運営においてもグローバル志向を鮮明に打ち出している。
先行する韓国企業が支配的なベトナム市場にイオンエンターテイメントがどう挑むのか、注目だ。
AEON ENTERTAINMENT VIETNAM CO., LTD.の概要
会社名: AEON ENTERTAINMENT VIETNAM CO., LTD.
設立日: 2025年3月13日
所在地: 96 D. Cao Thang, Phuong 4, Quan 3, Ho Chi Minh, Vietnam
代表者: 島野洋平
事業内容: 映画制作、配給、興行事業、IP展開事業
