1945年夏、長崎を襲った原爆投下直後の混乱の中、被爆者の救護にあたった若き看護学生たちの姿を描く映画『長崎―閃光の影で―』が、8月1日に全国公開される(7月25日には長崎で先行公開)。配給はアークエンタテインメントが担当する。
本作は、看護学生として、そして一人の人間として、極限の状況下で使命を全うしようとした少女たちの戦いを描く。物語の中心となるのは、田中スミ、大野アツ子、岩永ミサヲの3人。戦況が激化し、空襲による休校を機に帰郷した彼女たちは、家族や友人との穏やかな時間を過ごしていた。しかし、1945年8月9日午前11時2分、長崎に原子爆弾が投下され、一瞬にして日常が崩れ去る。町は瓦礫と化し、負傷者があふれる中、彼女たちは未熟ながらも看護学生として救護活動に奔走する。救える命よりも葬らなければならない命の方が多いという非情な現実の中で、彼女たちは命の尊さ、そして生きる意味を問い続ける。
主演は、本作が映画初主演となる菊池日菜子(田中スミ役)、小野花梨(大野アツ子役)、川床明日香(岩永ミサヲ役)の3人。監督・共同脚本は、自身も長崎出身で被爆三世の松本准平が務める。プロデュースを担当するのは、長崎原爆投下の前日を描いた黒木和雄監督の映画『TOMORROW 明日』のプロデューサーでもある鍋島壽夫。『TOMORROW 明日』の先へと続く“原爆投下後”の物語を語るべきだという強い思いが、松本監督との出会いにより結実した。
本作は、日本赤十字社長崎県支部による「閃光の影で―原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記―」を原案としている。戦争や被爆体験を直接語ることができる世代が少なくなってきている今だからこそ、後世に語り継ぐべき物語として制作された。
2025年は、戦後80年の節目を迎える年であり、日本被団協がノーベル平和賞を受賞し、世界に核廃絶を訴えた2024年を経て、本作が問いかけるメッセージは大きな意義を持つ。被爆地・長崎で生まれたこの映画が、全国の観客にどのように受け止められるのか注目される。
映画『長崎―閃光の影で―』は、7月25日(金)に長崎で先行公開、8月1日(金)に全国公開される。
公式サイト:映画『長崎―閃光の影で―』公式サイト