国立映画アーカイブは、国立情報学研究所と共同で、新たなWEBサイト「はじまりの日本劇映画 映画 meets 新派・新劇・新国劇」を2025年3月28日11時に公開した。本サイトは、同館が所蔵する新派・新劇・新国劇に関連する映画や資料を公開するもので、日本の劇映画の成立と変遷において重要な役割を果たした近代演劇との関係に焦点を当てている。
本サイトでは、関東大震災を挟む大正後期に製作された貴重な9作品を公開する。これらの作品は、可燃性ポジフィルムからデジタル化を施したものであり、初代水谷八重子が映画初出演を果たした『寒椿』(1921年)や、「映画女優第1号」とされる花柳はるみ出演の『収穫』(1921年)などが含まれる。さらに、新国劇を創設した澤田正二郎が出演する幻のフィルム『高田馬場』(1924年)も公開される。
また、本サイトには、演劇研究者の神山彰氏、演劇評論家の大笹吉雄氏、熊本県立大学准教授の羽鳥隆英氏による論考が掲載されている。彼らは公開作品に具体的に触れながら、映画と演劇の関係を多角的に考察しており、映画史研究に新たな視点を提供する内容となっている。
さらに、国立映画アーカイブが保存してきた貴重な映画関連資料も公開される。公開作品に出演する俳優のポートレートや舞台関連の写真、映画の場面写真、撮影スナップが掲載された雑誌の口絵ページ、スチル写真やポスターなどが紹介されており、当時の映画と演劇の交差点を視覚的に捉えることができる。
本サイトの詳細は、以下のURLで確認できる。
サイト名:「はじまりの日本劇映画 映画 meets 新派・新劇・新国劇」
URL:https://eigameetsshinengeki.filmarchives.jp
制作:国立映画アーカイブ、国立情報学研究所
公開日:2025年3月28日(金)