『天気の子』、4月2日より台湾で再上映――大スクリーンで再び味わう感動
新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』が、清明節の連休(4月4日~6日)に台湾で再上映されることが明らかになった。
本作は『君の名は。』に続く新海監督の長編アニメーションとして、熱狂的なファンの期待を受けながら日本で公開され、5週連続で興行収入ランキング1位を獲得した。さらに公開34日目には興行収入100億円を突破し、新海監督が宮崎駿監督に次いで2作連続で興行収入100億円超えを達成した日本の監督となった記念碑的な作品だ。
『天気の子』は、高校生の森嶋帆高が離島の故郷を離れ、東京へ向かうところから始まる。しかし東京での生活は厳しく、帆高はオカルト雑誌のライターとして働くことになる。そんな中、取材の途中で弟と二人暮らしをしている少女・天野陽菜と出会う。陽菜は「天気を変える力」を持っており、彼女が「ねぇ、今から晴れるよ」と微笑むと、厚い雲が晴れ、陽光が街を照らす。
本作が異常気象に見舞われる東京を舞台にしており、作中の大半が雨のシーンだ。新海監督の「アニメーションは、実写映画とは異なり『何を描くか、何を描かないか』を自由に決められる。『天気の子』は最初から『雨の映画』にしようと考えていた」とコメントしている。
また、監督は「映画に登場する雨は見どころの一つ。雨の降り方によって水たまりの波紋がどう変わるのかを観察するため、スタッフと共に雨が降るたびに外に出て水たまりを見たり、透明のビニール傘を通して落ちてくる雨粒を観察した」と語っており、リアルな雨の描写に徹底的にこだわったことが伝えられた。「『天気の子』の色彩はやや暗めではあるものの、多くのファンの心に温かな感動をもたらした」と総括している。
本作において、主人公の帆高と陽菜は高校生ながらも困難な状況に立ち向かい、成熟した姿を見せる。その姿に観客は自身を重ね、胸が締め付けられるかもしれない。しかし、新海監督が本作を通じて伝えたかったのは、「生きることの意味は日常の小さな幸せにある」ということだという。
『天気の子』の舞台は東京オリンピック開催前の2021年であり、新海監督は「東京の街並みは良くも悪くも変化し続ける。だからこそ『あの時の東京』を作品の中に残したかった」と語っている。
公開後、ファンの間では作品に登場する実在のスポットが話題となり、多くの人々が朝日稲荷神社、新宿大ガード西、のぞき坂、高円寺氷川神社、JR田端駅南口、六本木ヒルズ屋上スカイデッキなどを訪れた。映画の世界観を実際の風景と重ね合わせることで、作品の魅力がより深まるのかもしれない。
また、今回の再上映に際し、特別なレーザーポスターが公開された。このポスターは、見る角度によって異なる表情を見せる仕掛けが施されており、映画そのものが鑑賞するたびに新たな感慨をもたらすことを表現している。関係者によれば、「実物は非常に光を反射しやすく、撮影時に自分の姿が映り込んでしまうほどだった」とのことだ。
『天気の子』は、劇場ならではの大スクリーンと音響でこそ、その美しさと迫力を最大限に体感できる作品だ。台湾の映画ファンにとって、この雨の季節は劇場で再び物語の魅力に浸る絶好の機会となるだろう。