宮崎駿監督の名作『もののけ姫』が、米国のIMAXシアターで4Kリマスター版として再上映され、推定400万ドルの興行収入を記録した。配給を手がけたGKIDSによると、本作は週末の興行収入ランキングで第6位にランクインした。

今回の再上映は、偶然にもOpenAIの新機能による「スタジオジブリ風」のAI画像生成がSNS上で物議を醸している時期と重なった。GKIDSの配給部門副社長であるチャンス・ハスキー氏は、「技術が人間性を模倣しようとする時代にあっても、観客が宮崎駿監督とスタジオジブリの手描きの芸術性を尊重し、映画館での体験を大切にしてくれていることを嬉しく思う」とコメントした。
『もののけ姫』は、1997年に宮崎駿監督が脚本・監督を務め、日本国内で数々の興行記録を打ち立てた作品である。アメリカではミラマックスが配給し、劇場公開やホームメディアを通じて累計1億9430万ドルの収益を上げた。舞台は室町時代の日本で、呪われた腕を持つエミシの青年アシタカが旅に出る物語。彼はタタラ場の人々と、自然を守るために戦う少女・もののけ姫(サン)との対立に巻き込まれていく。
本作は、批評サイト「ロッテン・トマト」で93%の高評価を維持しており、英語吹替版にはクレア・デインズ、ビリー・ボブ・ソーントン、ジリアン・アンダーソン、ミニー・ドライバー、ビリー・クラダップらが出演している。音楽は久石譲が担当した。
なお、週末の興行ランキング1位は、ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画『A Working Man』で、560万ドルを記録。2位にはディズニーの実写版『白雪姫』が420万ドルで続いた。同作はこれまでの累計興行収入が5260万ドル、世界興収は1億20万ドルを超えている。
今回の『もののけ姫』再上映は、IMAXフォーマットでの北米公開としても成功を収め、現地の347館で上映中である。現在のところ、他の国々での上映予定は発表されていない。
『もののけ姫』のIMAX上映は期間限定で行われており、同作はアメリカではストリーミングサービス「Max」でも配信中。