フランスの鬼才アニメーション監督ルネ・ラルーの長編3作品が、特集上映「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」として6月20日より渋谷HUMAXシネマを皮切りに全国順次公開されることが決定した。あわせて、コラージュアーティストQ-TA氏によるキービジュアルも公開された。
ルネ・ラルー
ファンタスティック・コレクション
✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤ ✤SFアニメーション界の鬼才ルネ・ラルーの長編全3作を一挙上映!
🪐上映作品🪐
ファンタスティック・プラネット
時の支配者 4K修復版
ガンダーラ 4K修復版6/20〜渋谷HUMAXシネマほか全国順次! pic.twitter.com/X7m3Y051kd
— 特集上映「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」 (@renelaloux2025) March 28, 2025
ルネ・ラルーは1929年にフランス・パリで生まれ、その独創的なビジュアルと哲学的なストーリーで多くの映画ファンを魅了してきた。1970〜80年代のフランスにおいて、大人向けアニメーション映画がほとんど存在しなかった中、ラルーはローラン・トポール、メビウス、フィリップ・カザらの著名なアーティストと協力し、独自のSF世界を作り上げた。彼の作品はフランス国内ではなく、チェコスロバキア、ハンガリー、北朝鮮といった海外のスタジオで制作されたことでも知られている。日本とも縁が深く、1998年の広島国際アニメーションフェスティバルでは審査委員長を務め、2006年には「ルネ・ラルー賞」が設立された。
今回の特集では、ラルーが手掛けた長編3作品が一挙に上映される。
『ファンタスティック・プラネット』(1973年)は、カンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞した伝説的作品である。フレンチSF作家ステファン・ウルの「Oms en Série」を原作とし、ローラン・トポールが4年の歳月をかけて原画を描いた。本作は、人類が巨人ドラーグ族によって支配される異星を舞台に、種の存続をかけた闘いを描いた物語である。
『時の支配者』(1982年)は、ステファン・ウルの「ペルディド星の孤児」を原作とし、フランスのバンド・デシネ界の巨匠メビウスがビジュアルを担当した。タイムパラドックスをテーマにした本作は、キャラクターデザインから背景美術に至るまで、メビウスが全面的に関与した作品となっている。
『ガンダーラ』(1987年)は、平和な未来都市を襲う脅威を描いた作品で、フィリップ・カザがキャラクターデザインを担当し、音楽は『イングリッシュ・ペイシェント』や『リプリー』で知られるガブリエル・ヤレドが手掛けた。本作では、人類が自身の創り出した人工生命体によって滅亡の危機に瀕するという衝撃的なストーリーが展開される。
なお、『時の支配者』と『ガンダーラ』は今回4K修復版として上映され、DCP上映は今回が初めてとなる。
特集上映のキービジュアルを手掛けたQ-TA氏は、『ファンタスティック・プラネット』のドラーグ族ティバを中心に、3作品のキャラクターとモチーフをコラージュした。ルネ・ラルー作品のカオティックな魅力を見事に表現したビジュアルとなっている。
「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」は6月20日(金)より渋谷HUMAXシネマを皮切りに全国順次公開予定。詳細は公式サイトおよび公式X(@renelaloux2025)にて確認できる。
【上映作品】
『ファンタスティック・プラネット』 (1973年 / フランス=チェコスロバキア / 72分)
監督・脚色:ルネ・ラルー / 原画・脚色:ローラン・トポール / 音楽:アラン・ゴラゲール / 原作:ステファン・ウル
『時の支配者 4K修復版』 (1982年 / フランス=ハンガリー / 78分)
監督:ルネ・ラルー / 設定:メビウス / ストーリーと脚色:ルネ・ラルー、メビウス / 原作:ステファン・ウル
『ガンダーラ 4K修復版』 (1987年 / フランス=北朝鮮 / 83分)
監督・脚色:ルネ・ラルー / 原作:ジャン=ピエール・アンドルヴォン / キャラクターデザイン:フィリップ・カザ / 音楽:ガブリエル・ヤレド