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アーツカウンシル東京、2025年度事業ラインアップを発表 – 世界陸上・デフリンピック契機にアクセシビリティ向上を推進


公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京は、2025年度の事業ラインアップを決定し、3月31日に発表した。アーツカウンシル東京は、世界的な芸術文化都市東京として、芸術文化の創造・発信を推進し、東京の魅力を高める多様な事業を展開している。2025年度は、世界陸上・デフリンピックの開催を契機とした芸術文化へのアクセシビリティ向上、次代を担うキッズ・ユース向け体験事業の拡充、活動支援と人材育成の充実を重点的に取り組む。

アクセシビリティ向上に向けた取り組み

世界陸上とデフリンピックの開催時期に合わせ、「多様な参加者とつどい・つながり・つくりあげる」アートプロジェクト「TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム」を展開する。都内各地の祭り団体や伝統芸能団体によるパフォーマンスイベント「TOKYO わっしょい」や、ろう者と聴者が遭遇する舞台作品「黙るな 動け 呼吸しろ」を実施する。

さらに、芸術文化事業を実施する団体等によるアクセシビリティ向上の取り組みを支援する「東京芸術文化鑑賞サポート助成」について、両大会が開催される秋に鑑賞サポートの取り組みが推進されるための枠を新設するなど拡充する。「芸術文化へのアクセシビリティ向上」の機運醸成に向けたキャンペーンを展開し、誰もが芸術文化を楽しめるよう環境整備を促進していく。都立文化施設等やアーツカウンシル東京で展開する文化事業等におけるアクセシビリティ向上にも取り組み、情報提供やサービスの向上、鑑賞・参加体験の充実、障害当事者等の企画・運営への参画のための環境整備を推進する。

次世代を担うキッズ・ユース向け体験事業の拡充

子供たちが自らの興味関心がある芸術文化について、より深くより高いレベルで学ぶことができる「ネクスト・クリエイション・プログラム」を2024年度より開始しており、2025年度は以下の新規事業に取り組む:

  • キッズユースオープンキャンパス: 芸術系大学の教授などが講師となり、大学の施設を使って、子供たちが美術や音楽、演劇など様々なジャンルのものづくりや生演奏に触れるプログラムを区部と多摩部で実施する。
  • こどもファッションプロジェクト: ファッションや洋服を題材に、プロの指導のもと、子供たちが制作やモデル、撮影などを体験する。
  • ビジュアルアーツ クリエイションプログラム(仮称): 教育機関等と連携し、子供たちがアート作品制作を通じて社会課題について学び、作品発表を通じて行動変容を促すプログラムを実施する。
  • こども映画プロジェクト(仮称): 子供たちが映画を「観る」ことから始め、映画監督やスタッフと共に制作に取り組み、完成作品を上映する体験プログラムを実施する。

活動支援と人材育成の充実

若手アーティストの創作活動を支援する「START Box」では、「START Box ササハタハツ」、「START Box お台場」に加え、新たなアトリエや稽古場など創作スペースの新規提供を予定している。

「東京芸術文化創造発信助成」では、カテゴリーⅣ[長期助成]として海外映画祭参加活動を新設し、映画のポストプロダクションを行い、海外映画祭での上映を目指す事業を支援する。

芸術文化活動に関する相談窓口「東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」」では、相談窓口、情報提供、スクールの3つの機能で総合的にサポートを提供する。2025年度は対面での出張相談を実施するほか、スクールでは芸術系大学と連携した大学生向けの出張講座も新たに実施する。

人材育成においては、アート市場での活躍を希望する美術・映像分野の若手アーティストを支援する「Tokyo Artist Accelerator Program(TAAP)」や、『ベルリン国際映画祭』と提携した映画分野の人材育成プログラム「タレンツ・トーキョー2025」などを実施する。さらに、アートマネジメント人材等の海外派遣プログラムでは派遣対象分野に映画部門を追加し、派遣先を増やすなど事業を拡充する。

横断的取組

デジタルテクノロジーの活用により誰もが芸術文化を享受できる社会の実現を目指す「TOKYO スマート・カルチャー・プロジェクト」では、都立文化施設の情報通信基盤整備やデータベース拡充、デジタルを活用したプログラム開発、新しい鑑賞体験の創出などを推進する。アートとデジタルテクノロジーを通じて人々の創造性を社会に発揮するための拠点「シビック・クリエイティブ・ベース東京 [CCBT]」では、ラボ・スタジオ等のスペースを備え、ワークショップなどの様々なプログラムを展開する。都立文化施設や文化事業を通して誰もが芸術文化にアクセスし楽しめる環境構築を目指す「クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー」では、高齢者、障害のある方、乳幼児、海外にルーツをもつ人等、様々な人たちが文化事業に参加し共に創造していくための環境整備などを進める。

芸術文化の魅力創出・発信

都内各地で様々なフェスティバルを開催し、芸術文化の創造活動の拡充と鑑賞機会の創出を図る。具体的には、「伝承のたまてばこ~多摩伝統文化フェスティバル 2025~」、「東京大茶会 2025」、「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり 2025」、「六本木アートナイト 2025」、「Shibuya StreetDance Week 2025」などが予定されている。

次世代の担い手となる子供・青少年に対してプロフェッショナルのもとでの創造体験機会を提供する事業として、「キッズ伝統芸能体験」や「子供のための伝統文化・芸能体験事業」、「パフォーマンスキッズ・トーキョー」などを実施する。

地域社会との連携では、「東京アートポイント計画」を中心に、地域での文化創造拠点の形成や、身近な場所で芸術文化活動に参加する機会を増やす取り組みを行う。

ネットワークの形成

芸術文化団体や文化施設・機関等とのネットワークを構築し、共同プログラムの開発や国際都市東京の芸術活動の発信力向上を目指す。その一環として、「アーツカウンシル・フォーラム」を開催し、芸術文化分野における今日的かつ重要なテーマについて議論する。

アーツカウンシル東京は、これらの事業を通じて、芸術文化都市としての東京の魅力を発信していく。