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2025年の世界興行収入予測、341億ドルに上方修正:「ナタ:魔童鬧海」が要因


映画産業の見通しを分析するGower Street Analyticsは、2025年の世界興行収入予測を当初の330億ドルから341億ドルへと約10億ドル上方修正した。この予測は、3月31日から4月4日までラスベガスで開催されるCinemaConを前に発表された。

2025年の世界興行収入は、2024年比で13%増(現行為替レートでは10%増)、2023年比で0.5%増(同3%増)と予測されている。しかし、2017年から2019年のパンデミック前3年間の平均と比較すると13%低い水準にとどまる。

この上方修正の要因となったのは、中国のアニメーション大作『ナタ:魔童鬧海』の驚異的な興行成績である。同作は中国国内で累計150億元(約21億ドル)を超える収益を上げ、海外市場でも5000万ドル以上を記録した。これを受けて、Gower Streetは2025年の中国市場予測を10億ドル引き上げ、76億ドルとした。これにより、中国の興行収入は2024年比で30%増加し、2023年比では1%の微増(現行レートでは同1%増)と見込まれる。しかし、2017年から2019年の平均と比較すると6%低い水準となる。

一方、中国を除く国際市場の2025年予測は約20億ドルの増加となり、170億ドルに達すると見込まれる。ただし、為替レートの回復がなければ、本来の成長幅は5億ドルに達していた可能性がある。2024年比で10%増(同5%増)、2023年比で1%減(同2%増)と予測され、2017年から2019年の平均と比較すると14%低い水準である。

北米市場については、2025年の予測が97億ドルから95億ドルへと若干下方修正された。2025年前半は期待されたほどの大ヒット作品がなく、興行成績がやや伸び悩んでいることが影響した。それでも2024年比で8%増、2023年比で5%増と見込まれるが、パンデミック前の水準と比べると17%低い水準にある。

2025年の映画市場は、年初こそ低調なスタートとなったが、今後の公開予定作品のラインナップ次第ではさらなる成長の可能性を秘めている。CinemaConでは、各スタジオと映画館運営会社が今後の市場動向について議論を交わす予定であり、その動向が注目される。

ソース:Global Box Office 2025 Projection Increases To $34.1B, Per Analysts
'Ne Zha 2' Propels 2025 Global Box Office Estimates to $34 Billion