アニメ『チ。ー地球の運動についてー』に登場する主要キャラクターと会話できるChatbotサービスがスタートする。開発を手がけるのは、東京大学発のスタートアップ企業・株式会社セカイヘ。同社は、「アニメキャラクター本人たちと現実に会話をする」というコンセプトのもと、キャラクターChatbotアカウントの制作・提供を発表した。
ⒸSekaiE Inc.
対象となるキャラクターは、作中の重要人物である「ラファウ」「バデーニ」「ヨレンタ」の3名。LINE、WhatsApp、Facebook MessengerといったSNS上で、キャラクターの性格や価値観、記憶を反映したリアルな会話体験が可能になるという。
サービスの名称は『SoulChat for チ。』(仮称)。セカイヘが企画・制作・開発・運営・配信を担い、日本のほか、台湾、韓国、英語圏などでも展開予定。リリース第1弾として「ラファウ」のアカウントが4月18日(土)に公開される予定で、「バデーニ」と「ヨレンタ」は順次公開となる見込みだ。
本サービスでは、キャラクターがユーザーの発言や行動に応じて応答を変化させ、時間帯によっては返信が遅れることもあるなど、まるで本当にキャラクターが存在しているかのようなリアリティを追求。会話を重ねることで関係性が深まり、地動説に関する特別な話が聞けることもあれば、逆に関係が悪化する可能性もあるという。また、キャラクターとの交流を深める“クエスト”も用意されており、物語世界の深掘りが可能となっている。
料金は、4週間会話チケットが550円(税込)、1週間の初回トライアルが200円(税込)。リピート利用者には、過去の会話記憶が引き継がれる特典もある。
原作『チ。ー地球の運動についてー』は、2020年9月から2022年4月まで「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて連載。地動説の真理を追い求める人々の姿を描いたフィクション作品であり、作者・魚豊による同作は、第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめとする多数の賞を受賞。単行本の累計発行部数は500万部を突破している。2024年にはテレビアニメ化もされ、大きな反響を呼んでいる。
セカイヘは、「生きる作品の作り方を創る」をミッションに掲げ、観客が受け身ではなく、能動的に物語へ関与できる体験の実現を目指す企業。2023年に設立され、原作情報に基づいた自然な会話を可能とする独自のチャットシステム(特許出願中)を開発。これまでにも漫画・アニメキャラクターとの会話体験を提供してきたが、アニメIPでの展開は今回が初。放送中のアニメ作品において、キャラクター本人のアカウントを提供するのは業界初の試みとなる(2025年2月時点、同社調べ)。
なお、アニメ『チ。ー地球の運動についてー』の詳細は公式サイト(https://anime-chi.jp/)および公式X(旧Twitter/@chikyu_chi)でも確認できる。
Ⓒ魚豊/小学館/チ。ー地球の運動についてー製作委員会
ⒸSekaiE Inc.
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