アニメーションの才能たちが、自らの創作の原点を明かす——。TV Bros.WEBで連載されていた人気企画「アニメ人、オレの映画3本」が、書籍として4月2日に発売される。
本書は、日本のアニメ界を牽引するアニメーション監督やアニメーターたちが、これまでに最も影響を受けた映画を3本ずつ選び、その魅力や思い出、創作に与えた影響などについて語った濃密なインタビュー集である。それぞれのインタビューには、映画にちなんだ描き下ろしイラストも収録されており、読み物としてもビジュアル作品としても楽しめる一冊に仕上がっている。
登場するクリエイターは、梅津泰臣、足立慎吾、平尾隆之、荒木哲郎、伊藤智彦、川元利浩、湯浅政明、本郷みつる、川崎芳樹、結城信輝、今石洋之、馬越嘉彦、長濱博史、平松禎史といった、アニメファンにはおなじみの錚々たる面々。さらに、書籍化にあたり新たに神山健治、本田雄、押井守の3名へのインタビューも実施され、全17名のクリエイターがそれぞれの「映画3本」を披露している。
選ばれた作品群は、ハリウッドの名作から日本映画、アート系作品やカルト的人気作まで多岐にわたり、読者は彼らの個性や感性を垣間見ることができる構成となっている。
たとえば、梅津泰臣は「母なる証明」「レミーのおいしいレストラン」「ジョジョ・ラビット」を挙げ、湯浅政明は「E.T.」「泥の河」「グロリア(1980年)」を選出。また、荒木哲郎は「エクソシスト」「キック・アス」「桐島、部活やめるってよ」を取り上げるなど、それぞれの選択にはクリエイターとしての哲学や人生観が色濃く反映されている。
アニメ制作の現場で生きる者たちが、どのような映像体験に衝撃を受け、創作の糧としてきたのか。映画とアニメの交差点にある本書は、アニメファンのみならず映画ファンにとっても興味深い内容である。
書籍『アニメ人、オレの映画3本』は、TV Bros.編集部より刊行され、Amazonなどで購入可能だ。アニメというアートを支える者たちの“映画愛”に迫る一冊として、注目に値する。