アルゼンチンの映画制作集団「エル・パンペロ・シネ」に所属するラウラ・シタレラ監督の集大成的作品『トレンケ・ラウケン』の公開を記念し、同監督の日本未公開長編3作品を上映する特集企画「ラウラ・シタレラ監督特集 響きあう秘密」が開催されることが決定した。あわせて、特集のビジュアルと予告編(YouTubeリンク)も公開された。
https://m.youtube.com/watch?v=UFgL7EM_sZ8&pp=0gcJCdgAo7VqN5tD
『トレンケ・ラウケン』は、4時間を超える長編でありながら、探偵もの、メロドラマ、クィア、フェミニズム、SFといったジャンルを自在に横断する。ボルヘスやボラーニョの系譜に連なる迷宮的な構造を持ちつつ、観客を未知の映画体験へと誘う娯楽作となっている。
物語の舞台は、アルゼンチンの片田舎トレンケ・ラウケン。植物学者の女性ラウラが突然姿を消し、彼女を追って恋人のラファエルと同僚のエセキエルが町と平原をさまよう。なぜ彼女は消えたのか。この土地には何が眠っているのか。物語は予測不可能な展開を見せ、次々と謎が連鎖しながら観る者を魅了していく。
本作はベネチア国際映画祭やサン・セバスティアン国際映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で高い評価を受け、フランスの映画誌「カイエ・デュ・シネマ」では2023年の年間ベスト第1位に選出された。2024年に下高井戸シネマで実施された4日間限定の上映では、全回が完売する盛況ぶりを見せていた。
今回の特集では、以下の3作品が上映される。
<blockquote class=”twitter-tweet”><p lang=”ja” dir=”ltr”>『トレンケ・ラウケン』公開記念<br>ラウラ・シタレラ監督特集<br>「響きあう秘密」<br><br>上映作品決定🌼<br><br>オステンデ 原題:Ostende<br>ドッグ・レディ 原題:La Mujer de los Perros<br>詩人たちはフアナ・ビ二ョッシに会いに行く 原題:Las Poetas visitan a Juana Bignozzi<a href=”https://t.co/75UqJdPLCm”>https://t.co/75UqJdPLCm</a> <a href=”https://t.co/K2NWyj57az”>pic.twitter.com/K2NWyj57az</a></p>— ユーロスペース(配給) (@eurospace_d) <a href=”https://twitter.com/eurospace_d/status/1907267957488762956?ref_src=twsrc%5Etfw”>April 2, 2025</a></blockquote> <script async src=”https://platform.twitter.com/widgets.js” charset=”utf-8″></script>
■『オステンデ』(2011年/85分)
ラジオのクイズ番組でオステンデのホテル宿泊券を手にした主人公ラウラ。シーズンオフのリゾート地で彼氏の到着を待つ彼女は、中年男と二人の若い女という奇妙な組み合わせの一行に興味を抱く。男の不審な態度に好奇心をくすぐられたラウラは、自身の想像力で物語を作り始める。日常に潜むフィクションの魅力を描いた、シタレラ監督のデビュー作であり、『トレンケ・ラウケン』へと連なるサーガの一編とも位置づけられている。
■『ドッグ・レディ』(2015年/98分)
都市の喧騒を離れ、犬たちとともに原野に暮らす一人の女性。言葉も発さず、貨幣経済からも離れた生活を送る彼女は、社会の周縁に存在する“原初の自由”を体現する存在である。ベロニカ・ジナスとシタレラの共同監督による本作は、文明と自然、社会と個人の境界線を問う静謐なドキュメンタリック・ドラマである。
■『詩人たちはフアナ・ビニョッシに会いに行く』(2019年/98分)
詩人フアナ・ビニョッシの死をきっかけに、若手詩人たちが彼女の詩を映画という形で継承しようとする過程を描くドキュメンタリー的作品。プロットのない状態でスタートした本作は、創作の過程そのものを記録しながら、「共同体への希求」というテーマを浮き彫りにする。『トレンケ・ラウケン』と同時期に制作され、思想的な接点も多く持つ。
『トレンケ・ラウケン』および「ラウラ・シタレラ監督特集 響きあう秘密」は、2025年4月26日よりユーロスペース、下高井戸シネマほか全国順次ロードショー予定。アルゼンチン映画界の最前線に位置するシタレラ監督の創作世界を、多面的に体感できる貴重な機会となる。