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ロサンゼルスの撮影スタジオ稼働率が過去最低水準に──FilmLAが最新レポートを発表


米ロサンゼルスの映画・テレビ撮影スタジオにおける稼働率が、記録上最も低い水準に落ち込んでいることが明らかになった。市および郡の撮影許可を管轄する非営利団体FilmLAが2025年4月3日に発表した最新レポートによると、ロサンゼルス地域の撮影活動は依然として回復の兆しを見せていない。

同レポートによれば、ロサンゼルスでスタジオの大半を運営する17社の稼働率は2023年の69%から2024年には63%まで低下した。これは、2016年から2022年までの平均稼働率93.5%から大きくかけ離れた水準であり、撮影需要の急激な減少を裏付ける数字である。

2024年におけるロサンゼルスでのスタジオ撮影日数は、FilmLAが統計を取り始めた2017年以降で最低の水準を記録(※2020年のパンデミックによる停止期間を除く)。とくに2023年の第3・第4四半期における稼働率は、それ以前の2四半期を下回っており、撮影活動が安定して回復していない現状が浮き彫りとなった。

撮影の減少はテレビ番組制作の鈍化が大きく影響している。2023年のテレビ撮影は、スタジオおよびバックロットでの全撮影活動のわずか20%を占めるにとどまり、以前の約30%から大幅に減少した。エピソード数の削減やシーズン間の長期的な中断がその背景にあると見られる。

このような状況にもかかわらず、近年はグローバルなスタジオ不足を見越して民間資本や不動産投資会社がスタジオの取得・新設・拡張を積極的に進めてきた。2022年にはBARDAS Investment GroupとBain Capital Real Estateが、旧テレビジョンセンターの6億ドル規模の再開発計画を発表したことも話題となった。

一方、ニューヨーク、ジョージア州、オンタリオ州、イギリスなどの競合地域では、過去5年でステージベースの制作能力が2倍以上に拡大。ロサンゼルスには約800万平方フィートの制作スペースと13件の新スタジオ開発計画が存在するが、制作本数の減少により空室を埋めるのが困難になっている。

スタジオ運営会社Hudson Pacific Propertiesの社長マーク・ラマス氏は、2月の決算説明会で「テレビ番組が再びロサンゼルスに戻りつつある」と述べ、回復への期待感を示した。同氏によれば、2024年1月には6本の長編テレビ番組がスタジオを使用したという。これは前年10月から12月までの月平均1本と比べて大きな伸びであり、今後の回復の先行指標と考えられている。

同社は2022年に買収したQuixote Studiosに対して、昨年2四半期で750万ドルのコスト削減を実施。今後も追加の経費削減を計画している。

FilmLAの広報担当フィリップ・ソコロスキー氏は声明の中で、「今後も高いスタジオ稼働率と雇用創出を維持できる地域は、国家・州・地域レベルで映画プロジェクトの誘致に投資しているところである」と述べ、カリフォルニア州の撮影支援制度拡充の重要性を強調した。

地元関係者の間では、撮影流出(ランナウェイ・プロダクション)を防ぐための緊急対策として「Stay in L.A.(ロサンゼルスに留まろう)」キャンペーンが立ち上がっており、今後3年間で地元撮影を少なくとも10%増やすようスタジオに求める運動も展開されている。

今回のレポートは、ロサンゼルスで全ステージの約82%を運営する17のスタジオから提供されたデータをもとに作成された。過去2年間の稼働率の推移および他地域との制作スペース比較などが含まれている。

ソース:Los Angeles Film and TV Soundstage Vacancies at Historically High Levels