2025年の序盤は堅調な滑り出しを見せていたフランスの映画興行であるが、3月に入り観客動員数が急落したとscreen dailyが伝えている。フランス国立映画センター(CNC)の推計によれば、3月のチケット販売数は1,250万枚で、前年比17.5%減という結果となった。
これは、パンデミック下で全館閉館となった2020年を除けば、1995年の1,090万枚以来、最も低い3月の数字である。パンデミック前(2017~2019年)の平均と比べると37%の減少となる。興行収入としては9,050万ユーロで、平均チケット価格は7.24ユーロであった。
2025年第1四半期(1~3月)の累計では、興行収入が3億1,800万ユーロ、観客動員数は4,396万枚で、前年同期比7%減となっている。
わずかながら動員数を押し上げたのは、3月23日から25日にかけて実施されたフランス映画館連盟(FNCF)主催のイベント「Le Printemps du Cinéma(映画の春)」である。この期間中、参加劇場ではチケットが一律5ユーロとなり、わずか3日間で220万人を動員。これは前年から37%の増加であった。
一方で、世界的に不発だった作品の影響が大きく、動員数減少の一因となっている。ポン・ジュノ監督の『Mickey 17』(ワーナー・ブラザース)は、3月5日の公開からわずか100万枚強の動員で月間1位となった。また、ディズニーの『スノーホワイト』も3月19日の公開から75万8,000枚で3位にとどまっている。
その中で、フランス映画は依然として地元市場をけん引しており、3月のシェアは47%。一方、米国映画は30.2%にとどまった。中でも、1960年代パリを舞台に6人の子を育てる母親を描いた、ケン・スコット監督の『Once Upon My Mother』(ゴーモン配給)は、公開から2週間で約79万5,000枚を売り上げ、月間2位にランクインしている。
フランス映画でトップ10入りしたのは、2月公開の『The Bodins Are Going Off The Rails』(SND)、『God Save The Tuche』(パテ)、『A Bicyclette!』(Ad Vitam)、カリーヌ・タルデュー監督の『The Ties That Bind Us』(ディアファナ)に加え、バルバラ・シュルツ監督による冒険映画『Treasure Hunters: On The Tracks Of Khufu』(SND)など。後者はファブリス・ルキーニ主演で、「フランス版インディ・ジョーンズ」とも称される。
また、2月公開の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(ディズニー)や『パディントン・イン・ペルー』(スタジオカナル)も引き続き観客を集めている。
3月には計60本の新作が公開され、そのうち34本がフランス映画、8本が米国映画であった。
業界関係者は、4月の巻き返しに期待を寄せている。昨年4月は大作の不在により、1,190万枚という1999年以来最低の動員数にとどまったが、今年は『Minecraft: The Movie』や『The Amateur』『Dog Man』『Sinners』『Thunderbolts』などの話題作が控えており、興行復活の起爆剤になると見られている。