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インドネシア発アニメーション映画『ジャンボ』、歴代最高の大ヒットで海外展開へ


インドネシアのアニメーション映画『ジャンボ(Jumbo)』が国内興行で記録的な成功を収め、同国アニメーション史上最高の動員数を達成したとVarietyが報じている。3月31日の劇場公開からわずか7日間で観客動員数100万人を突破し、これまで2017年の『Si Juki The Movie: Panitia Hari Akhir』が保持していた64万2312人という記録を塗り替えた。

本作は、Visinema Studiosが製作した長編アニメーションで、主人公の少年ドンが、亡き両親が遺した大切な童話の本に着想を得て、学校の才能ショーで舞台劇を披露しようとする物語。ところが、いじめっ子にその本を奪われてしまい、ドンは両親を探す謎の少女と出会うことで、思いがけない冒険へと巻き込まれていく。

プロデューサーのアンギア・カリスマは「この数字は単なる興行成績ではない。我々の物語に寄せられた愛と希望、信頼の証である。インドネシアの観客からの温かい反応を見るたび、この5年間の苦労がすべて報われたように感じる」と語っている。

ホラー映画が国内公開作品の5割以上を占めるインドネシアの映画市場において、『ジャンボ』の家族向けで温かみのある物語は異例の成功といえる。また、SNS上では“ジャンボの非公式広報部(Jumbo’s Free Buzzers)”を自称するファンたちが、ミームやメッセージを自発的に発信し、X(旧Twitter)やTikTokでトレンド入りする現象も起こった。

『ジャンボ』は今後、6月からマレーシア、シンガポール、ブルネイ・ダルサラームで劇場公開されるほか、ロシア、ウクライナ、バルト三国、中央アジア諸国などアジアおよびヨーロッパ各地での上映も予定されている。監督・脚本はライアン・アドリアンディが務めた。

本作は、インドネシアのアニメーション産業における画期的な成果であり、420人以上の国内クリエイターが5年の歳月をかけて完成させた。Visinema Groupは、創業者で映画監督のアンガ・ドゥウィマス・サソンコが2008年に設立した制作会社で、『Nussa』『Mencuri Raden Saleh』『Keluarga Cemara』などのヒット作も手がけている。