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ジョニー・トー監督、北海道で香港ノワール新作構想 トニー・レオンとの再タッグにも意欲


香港映画界を代表する巨匠ジョニー・トー監督が、新作の香港ギャング映画を日本で撮影する計画を明らかにした。撮影は2026年に北海道を中心に行われる予定で、現在はキャスティングなどの調整が続いている段階だという。

トー監督は、カタールのドーハで開催されたドーハ・フィルム・インスティテュート主催のイベント「Qumra」にて、米メディアVarietyのインタビューに応じた。その中で、これまでに『欲望の翼』『HERO』などで知られる香港の名優トニー・レオンと再びタッグを組む可能性について問われると、「そう願っている。ぜひまた一緒に映画を作りたい」と語った。

一方でトー監督は、2019年の『Chasing Dream(原題)』以来、久々に監督業に復帰していることも明かした。本作はボクサーと歌手の若者が「中国の夢」を追いかける姿を描いた作品だが、現在取り組んでいる新作はそれとは異なる内容になる模様で、香港の人気アイドル、アンソン・ローが出演しているという。詳細は明かされていないが、監督自身の制作会社ミルキーウェイ・イメージが製作を手がけている。

本作はすでに3年にわたり制作が続けられているものの、実際の撮影日数はわずか10日間にとどまっているとトー監督は説明する。その背景には、1997年の香港返還以降に続く政治的混乱があり、創作活動にも大きな影響を与えているという。

トー監督は、ロケハンのため2025年1月末から札幌市をはじめ、富良野市、ニセコ町など道内各地を訪問。2月初旬には秋元札幌市長を表敬訪問し、「雪景色と人の温かさの対比を撮りたい」「映画を通して北海道の魅力を世界に発信したい」と語っている。

「集中できない。変化が大きすぎる」と語る一方で、「だが、直面しなければならない。映画を完成させる」と意志を見せた。完成は今年7月を目指しているとのことだ。

トー監督は、カンヌで上映された『エレクション』『復讐』や、ヴェネツィアに出品された『エグザイル/絆』『マッド探偵』『奪命金』など、スタイリッシュかつ社会性を帯びた犯罪映画で知られている。即興的なロケーション選びやミニマルな脚本、並行して複数のプロジェクトを進行するスタイルでも注目を集めてきた。

今後の続報と、トニー・レオンとの“再会”が実現するのかに、期待が高まる。