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パラマウントとスカイダンスの合併、FCC審査の遅れで自動的に90日間の延長へ


米パラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアによる合併契約に基づき、4月8日より両社の合併交渉は自動的に90日間延長されることとなった。これは、2024年夏に締結された契約内容に従った措置であり、関係者による新たな決定や手続きはない。

本件は2月に米証券取引委員会(SEC)へ提出された文書に明記されており、4月7日までに合併が完了しなかった場合、最大2回の90日間自動延長が可能であるとされている。ただし、その延長は「規制当局による承認を除くすべての条件が満たされている、あるいは放棄された」ことが前提となる。

80億ドル規模とされる本合併案は、複数の候補が名乗りを上げる中で2024年7月に提案された。その後、SECおよび欧州委員会はすでに承認を出しているが、現在も連邦通信委員会(FCC)の審査が続いており、これが最大の障壁となっている。

両社は2025年前半での合併完了を見込んでいたが、現時点ではその達成が困難になる可能性が高まっている。米Deadline誌の報道によれば、FCCの審査進行が鈍く、関係者や取引先の間に不透明感が広がっているという。

なお、パラマウント・グローバルの共同CEOであるブライアン・ロビンズ氏は、映画業界イベント「CinemaCon」において「親会社に関するさまざまな雑音がある」と語り、事態の不安定さを認めている。

合併審査におけるFCCの承認は当初、形式的な手続きに過ぎないと見なされていた。しかし、ドナルド・トランプ大統領の復帰とそれに伴うメディアへの敵意が、ワシントンおよび企業界における前提を大きく覆している。

トランプ氏はホワイトハウス復帰以前から、パラマウント傘下のCBSニュースと対立していた。特に、カマラ・ハリス副大統領へのインタビュー編集をめぐり、CBSを相手取りテキサス州で200億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしている。彼は「60ミニッツ」内でのインタビュー編集が、自身の選挙活動に不利益をもたらすよう意図されていたと主張している。

さらに、保守系団体の申し立てにより、FCCはCBSニュースに対する「ニュースの歪曲」疑惑についても調査を開始しており、同じインタビューの異なる編集バージョンが「60ミニッツ」と「CBSモーニングス」で放映されたことが問題視されている。

FCCの最終判断が下されるまで、本合併の先行きは依然として不透明だ。結論が出るのはもうしばらく先になりそうだ。

ソース:Under Terms Of Paramount-Skydance Merger Agreement, Extension Kicks In