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ヨーロッパ各国のアート・アニメーションが集結 映画祭「EUフィルムデーズ2025」開催へ


欧州連合(EU)加盟国が誇るアート・アニメーションを一堂に紹介する映画祭「EUフィルムデーズ2025」が、5月9日より大阪・テアトル梅田で開幕する。以降、東京、名古屋、福岡、京都と全国5都市で巡回開催される予定だ。

「EUフィルムデーズ」は、EU加盟各国の在日大使館および文化機関が近年の注目作品を選出し、観客に届ける毎年恒例の映画祭である。今年は大阪・関西万博の開催年にあたることもあり、例年以上に力の入ったラインナップが揃った。

2025年のテーマは「アニメーション」。ドローイングやストップモーション、最先端の3Dアニメーションまで、ジャンルも技法も多様な作品群が用意されている。長編13本、短編31本の全44作品が上映される予定であり、芸術性と社会性を兼ね備えた欧州アニメーションの現在地を示す場となる。

ポスタービジュアルには、ポルトガルのジョアン・ゴンザレス監督による『氷商人』の一幕を採用。2022年のカンヌ国際映画祭批評家週間で審査員賞を受賞した同作は、断崖に建つ寒村からパラシュートで氷を売りに出かける父子の物語を、日本画を思わせる筆致で描いた幻想的なアニメーションである。

長編作品の注目作には、ハンガリーのミロラド・クルスティッチ監督がヒッチコックやピカソ、ウォーホルらへのオマージュを込めたサイコスリラー『名画泥棒 ルーベン・ブラント』(2018)がある。ロカルノ国際映画祭でプレミア上映された本作は日本初公開となる。

また、ルーマニアのアンカ・ダミアン監督による最新作『アイランド』(2021)は、不条理なユーモアと詩的な映像で現代社会を描き出すアニメーション・ミュージカル。『マロナの幻想的な物語り』に続く本作も、今回が日本初上映となる。

ほかにも、現存する最古の長編影絵アニメーションとされるロッテ・ライニガー監督の『アクメッド王子の冒険』(1926)、デンマークのヨナス・ポーヘア・ラスムセン監督がアカデミー賞にノミネートされた『フリー』(2021)、オランダのマッシャ・ハルバースタット監督による新作『キツネのフォスとうさぎのハース 森を救え』(2024)など、多彩な作品が揃う。

映画祭の開催スケジュールは以下の通り。

  • 大阪(テアトル梅田):5月9日(金)~5月29日(木)

  • 東京(シアター・イメージフォーラム):6月28日(土)~7月11日(金)

  • 名古屋(キネマノイ):7月下旬(詳細後日発表)

  • 福岡(福岡市総合図書館映像ホール・シネラ):8月20日(水)~8月24日(日)、8月27日(水)~8月30日(土)

  • 京都(京都文化博物館):9月(予定)

【長編上映作品】
「アクメッド王子の冒険」(The Adventures of Prince Achmed)監督:ロッテ・ライニガー/1926/ドイツ/66分
「イカロスとミノタウロス」(Icarus and the Minotaur)監督:カルロ・ヴォーゲレ/2022/ルクセンブルク/76分
「イヌとイタリア人、お断り!」(NO DOGS OR ITALIANS ALLOWED)監督:アラン・ウゲット/2022/フランス/70分
「スルタナの夢」(Sultana’s Dream)監督:イサベル・エルゲラ/2023/スペイン/86分
「アイランド」(The island)監督:アンカ・ダミアン/2021/ルーマニア/85分/未公開
「ドンとDJの大冒険 セントラルパークの仲間たち」(The Inseparables)監督:ジェレミー・デグルソン/2023/ベルギー/85分
「名画泥棒 ルーベン・ブラント」(Ruben Brandt, Collector)監督:ミロラド・クルスティッチ/2018/ハンガリー/93分
「農民」(The Peasants)監督:DKウェルチマン、ヒュー・ウェルチマン/2023/ポーランド/113分
「キツネのフォスとうさぎのハース 森を救え」(Fox and Hare Save the Forest)監督:マッシャ・ハルバースタット/2024/オランダ/71分
「ビッグ・マン」(Big Man)監督:ラデク・ベラン/2024/チェコ/73分
「フリー」(Flee)監督:ヨナス・ポーヘア・ラスムセン/2021/デンマーク/88分
「ニコ サンタのそりを救え!」(Niko: Beyond the Northern)監督:カリ・ユーソネン、ヨルゲン・レルダム/2024/フィンランド/85分
「心の法」(Law of the Heart)監督:ロゼ・スティエブラ/2024/ラトビア/65分