動画配信サービス「U-NEXT」を展開する株式会社U-NEXTが製作幹事を務めた映画『遠い山なみの光』が、第78回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」へのノミネートを果たした。映画祭は現地時間で5月13日(火)から24日(土)にかけて開催される。

本作は、「私を離さないで」などで知られるノーベル文学賞作家カズオ・イシグロのデビュー小説『遠い山なみの光』を原作に、映画『ある男』(2022年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞など8冠に輝いた石川慶監督がメガホンを取った。日英ポーランドの三カ国による国際共同製作で、主演は広瀬すず、共演に二階堂ふみを迎え、戦後の長崎と1980年代のイギリスを舞台に、“記憶”に秘められた過去が時空を超えて交錯する人間ドラマが描かれる。国内では今夏、ギャガ配給にて劇場公開予定。


U-NEXTはこれまで、「映画を観るならU-NEXT」を掲げ、配信ラインナップの充実を図ってきた。2017年からは映画製作への出資も開始し、近年では『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』や『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』(5月1日公開)、『片思い世界』(公開中)など、質の高い作品の製作に力を入れている。
また、映画館との連携を強化し、U-NEXTポイントでの映画チケット購入にも対応。全国2900以上のスクリーンと提携し、動画配信から映画館への送客という新たなモデルを構築してきた。まずは映画館で映画を体験し、公開終了後には配信で楽しめる環境づくりを推進している。
『遠い山なみの光』では、ロンドンに暮らす日英ハーフの女性ニキが、自らのルーツと向き合い、過去を語ろうとしなかった母・悦子との時間を通して、戦後の長崎での記憶と向き合っていく。悦子が語る「夢」の中に登場する、ある女性とその幼い娘との記憶が、物語の鍵を握る。
製作には是枝裕和監督の作品を多数手掛けた制作集団・分福をはじめ、『キャロル』(2015年)や『生きる LIVING』(2022年)のNumber 9 Films(英国)、そして『ガール・ウィズ・ニードル』(2024年)などを製作したLava Films(ポーランド)が名を連ね、国際的な制作体制が整えられた。
U-NEXTは今後も「いい映画」を届けることに注力するとしており、『遠い山なみの光』のカンヌでの動向と、夏の公開に期待が高まる。
■映画『遠い山なみの光』
原作:カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(小野寺健訳/ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶
出演:広瀬すず、二階堂ふみ
制作:分福、ザフール/共同制作:Number 9 Films、Lava Films
配給:ギャガ
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