中国国家映画局の報道官は4月10日、米国による対中関税引き上げ措置に関連し、「米国政府の誤った関税政策は、中国の観客における米国映画への好感度を一層低下させる結果となる」と述べ、今後米国映画の輸入本数を適度に減らす方針を示した。中国は世界第2位の映画市場であり、「引き続き高水準の対外開放を堅持し、世界各国の優れた作品を導入して市場の需要に応える」としている。
数日前には、中国国営新華社の上級編集者である劉鴻(Liu Hong)氏と、元広東省共産党委員会書記・任仲夷氏の孫であり著名ブロガーの任意(Ren Yi)氏がSNSで中国当局がアメリカ映画の輸入を禁止する可能性を示唆していたが、それが当局によって公式に伝えられたことになる。
数日前にはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作『サンダーボルツ(Thunderbolts*)』が、中国で4月30日に公開されることが発表されている。同作の中国公開日は米国より2日早く、あわせて新ポスターも解禁された。本作は予定どおり公開されるだろうが、このニュースが中国興行にどのような影響を与えるのか、不透明だ。そして、本作が中国で公開される最後のハリウッド大作になる可能性もある。
現在、世界中で大ヒット中の『マインクラフト/ザ・ムービー』も中国で公開中で、大ヒット中だが、今後の興行に暗雲が立ち込めてきた。
いずれにしても、トランプ政権が仕掛けた関税政策による貿易戦争の火種は映画に早くも及んだことになる。