男女混合パフォーマンスグループAAAのメンバーとして活躍し、現在はソロアーティストとして活動する與真司郎(あたえ・しんじろう)が、4月16日に自身の半生を綴ったノンフィクションエッセイ『與真司郎フォトエッセイ 人生そんなもん』(講談社)を発売する。
與は2023年7月、自身が同性愛者であることを、約2000人のファンを前に公表。国内外に大きな反響を呼び、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が発表した「2023年世界に影響を与えた人々」にも選出された。本書では、カミングアウトに至るまでの過程やその後の心境の変化を率直に綴っている。
幼少期から「自分は周囲と違う」と感じていた與は、「男性に恋愛感情を抱くことはいけないこと」「自分は病気なのではないか」と悩んでいたという。同性の同級生に惹かれる気持ちを否定し、異性愛が当然とされるテレビドラマや楽曲に共感できない自分に孤独を感じていたことを本書で明かしている。
また、10代で芸能界入りし、AAAとして活動を始めた頃の自身についても言及。恋愛ソングの意味を理解できず、感情を込めることに戸惑いながらも、仮面をかぶり「アーティストを演じることでやり過ごすしかなかった」と振り返っている。ファンを喜ばせるために懸命に歌い続けた一方で、歌詞に心を込められないことに罪悪感を抱いていたという。
現在ではカミングアウトを経て、恋愛も経験し、「今は本音を歌詞に込めることができるようになった」「歌いながら泣きそうになるほど音楽が好きになった」と述べる。等身大の自分を表現できるようになった今を「本当に幸せ」と語っている。
本書は四六判160ページ構成で、定価は1,980円(税込)。Amazonなどオンライン書店および全国の書店にて購入可能。
與は現在、日本と海外を拠点に活動中で、自身の人生を題材にしたドキュメンタリーをハリウッドにて制作中。著書には『すべての生き方は正解で不正解』(講談社)もある。