KADOKAWAは2025年6月27日、元KAT-TUNの上田竜也による初の書き下ろし小説『この声が届くまで』を発売する。上田が約10年にわたって構想を練り続けてきた本作は、バンド活動を通じて仲間との絆や夢を描いた青春小説である。
物語は、学生時代からの仲間で結成したバンド「zion(シオン)」が、メンバーの脱退により崖っぷちに立たされる場面から始まる。世間から注目されずに10年を過ごした彼らは、ラストチャンスをかけて一致団結し、困難に立ち向かいながら憧れの武道館を目指す。「ここで諦めたくねぇんだ! まだ自分の夢を諦めたくねぇんだ」という熱いセリフに象徴されるように、仲間との約束や信念を胸に進む彼らの姿が胸を打つ展開となっている。
上田は本作について、「この物語は約10年前から書き始めた。当時、グループの3人目の脱退が決まった時期で、KAT-TUNの今後のために自分ができることはないかと模索した結果、『物語』という形で思いを表現した」と明かす。一度は執筆を中断したが、近年の活動体制の変化により再び執筆を再開。完成までに多くの時間を費やしたが、「その期間に感じてきたことも作品に反映できた」と語っている。
主人公・龍は自身を投影したキャラクターであり、不器用で思いが伝わらない人間性に共感を込めたという。小説完成直前にはKAT-TUNの解散も決まり、戸惑いの中で「自分にできることをしよう」と前を向いた。その想いが物語に込められているとし、「グループ活動をする人、そしてそれを応援する人たちに読んでほしい」と語った。
出版にあわせて、上田によるイベントも開催される。2025年7月1日にはHMV&BOOKS SHIBUYA(東京)にて刊行記念トークイベントが開催され、30名限定で抽選招待される。また、7月2日には愛知・星野書店 近鉄パッセ店、7月3日には大阪・TSUTAYA EBISUBASHI、7月6日には再びHMV&BOOKS SHIBUYAで、それぞれ200名を対象としたお渡し会も予定されている。各会場では、登場キャラクターをあしらった絵柄の異なるポストカード特典も配布される。
本書の定価は1,760円(本体1,600円+税)、判型は四六判で全352ページ。予約およびイベント応募は各店舗の専用ページにて受付中。