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NHK大河ドラマ『べらぼう』第16回あらすじ公開:平賀源内の最期?発明家の狂気と哀しき死の真相とは


NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(毎週日曜午後8時〜、NHK総合ほか)の第16回「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」のあらすじが公開された。主演の横浜流星が演じる蔦屋重三郎の視点を通して、鬼才・平賀源内の波乱に満ちた晩年が描かれる。

不吉の家と“人を斬った”という知らせ

第16回では、将軍世子・徳川家基(奥智哉)の急死が確たる証拠もないまま幕引きとなり、老中・田沼意次(渡辺謙)は、探索を続けようとする平賀源内(安田顕)に自重を促す。これに対し、源内は怒りを露わにする。

一方、蔦重(横浜流星)は「不吉の家」と噂される源内の屋敷を訪れ、正月の戯作の執筆を依頼する。だが源内は奇妙な言動を繰り返し、蔦重は不安を抱く。そんな折、「源内が人を斬った」という知らせが蔦重や意次のもとに届き、物語は一気に緊迫感を増す。

史実の源内──牢内で病死、享年52

史実における源内の晩年は、劇中同様に悲劇的である。安永8年(1779)、設計図の盗難を疑った末に激昂し、人を殺傷。投獄されたのち、同年12月18日に伝馬町牢内で病死した。享年52。死因については破傷風による病死が有力とされるが、自責の念による絶食死など、諸説が残る。

当時の牢内は劣悪な環境で、病死は珍しくなかった。源内の葬儀は杉田玄白、千賀道隆・道有親子、平秩東作ら親しい縁者によって執り行われた。墓は現在、東京都台東区の橋場総泉寺跡に残されている。

科学と国益を結びつけた先駆者

エレキテルや火浣布、歩数計など数々の発明品を手がけた源内は、当時としては抜群の理解力と応用力を誇った。だがその多くが西洋の模倣であったことも否定できない。ダ・ヴィンチやエジソン、テスラらと比べると独創性では劣るものの、源内の真骨頂はその先にあった。

彼は本草学を通して産業と結びつけ、田沼意次の重商主義政策を体現。科学と国益、さらには産業を統合的に捉えるという思想は、19世紀の産業社会を先取りするものであった。成功を収めたエジソンとは対照的に、多くの事業が失敗に終わった源内だが、その要因には時代的背景と環境の限界も大きく影響していた。

時代に翻弄され、鬼才として世を驚かせ続けた源内。その生涯の終焉が、『べらぼう』第16回でいかに描かれるのか、注目が集まる。