演劇界の巨星・唐十郎の代表作『少女仮面』が、渡辺えりの新演出により2025年6月に上演されることが決定した。本公演はオフィス3〇〇の特別公演として、東京・ザ・スズナリにて開催される。
『少女仮面』は1969年、鈴木忠志率いる早稲田小劇場に書き下ろされた戯曲で、第14回岸田國士戯曲賞を受賞した唐十郎の代表作のひとつ。以降、数多くの劇団や演出家によって再演されてきた。
今回の公演は、2024年5月に逝去した唐十郎への追悼の意も込められており、自らも本作の舞台に出演経験を持つ渡辺えりが演出を手がける。渡辺は42年前、パルコ劇場プロデュース版『少女仮面』にて春日野八千代役を演じた経験を持ち、唐十郎や美術家・朝倉摂、俳優・李礼仙らから多大な影響を受けたという。70歳となった今、自身の演劇人生を見つめ直し、平和への祈りと永遠の舞台への夢を込めて本作を再構築する。
舞台では、小室等が作曲した劇中歌が、三味線、チェロ、バイオリンの生演奏で披露される。さらに、春日野が憧れる甘粕大尉役には、唐作品に深い理解を持つ俳優たちが日替わりで出演予定となっており、特別感あふれる演出が施される。
出演者には渡辺えりのほか、大鶴佐助、土屋佑壱、吉田裕貴、福本雄樹、新内多賀太夫、宮下浩行といった実力派が名を連ね、若手注目株の黒島結菜・夢乃・鈴木楓加がトリプルキャストとして参加する。さらに劇作家・演出家としても知られる川村毅も出演する。
物語は、戦前から存在する地下の喫茶店「肉体」を舞台に、宝塚の伝説的男役・春日野八千代が、自身の舞台「嵐が丘」のキャサリン役を待ちながら稽古を続ける日々を描く。やがて現れる自称16歳の少女たちや、戦争の記憶、妄想にとらわれた腹話術師たちの登場によって、舞台は幻想と現実が交錯する混沌へと突入していく。喪失と愛、演劇という夢に翻弄される人間たちの姿が、唐十郎らしい濃密な言葉と構成で描かれる。
公演概要
タイトル: 少女仮面
作: 唐十郎 演出: 渡辺えり
出演: 渡辺えり、大鶴佐助、土屋佑壱、吉田裕貴、福本雄樹、新内多賀太夫、宮下浩行、黒島結菜/夢乃/鈴木楓加(トリプルキャスト)、川村毅、ほか
※甘粕大尉役は日替わりゲストが出演予定
日程: 2025年6月11日(水)〜6月22日(日)
会場: ザ・スズナリ(東京都世田谷区)
チケット情報
一般:8,000円 U-30/当日引換券:5,000円(全席指定・税込)
一般発売:2025年4月26日(土)10:00〜
【プレイガイド】
チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/office300/(Pコード:533-869)
ローソンチケット: https://l-tike.com/office300/(Lコード:35033)
MITT TICKET:03-6265-3201(平日12:00〜17:00)
【公式サイト】 https://office300.co.jp/
【主催】 オフィス3〇〇
唐十郎の不滅の言葉に、渡辺えりが新たな命を吹き込む舞台『少女仮面』。演劇史に刻まれる再創造の瞬間に、ぜひ立ち会いたい。