障がいのある演奏家によるコンサート「Special×ONE Concert 2025」が、2025年7月6日(日)に東京・渋谷の渋谷区文化総合センター大和田6階「伝承ホール」にて開催される。主催はOnehand MUSIC Grooveで、音楽をあきらめずに表現を続けるアーティストたちによる演奏を通じて、新たな音楽の在り方を提示することを目指す。
本公演に出演するのは、片腕のギタリスト・輝彦をはじめ、工藤雄一、熊谷永子、清水まり、竹内正実ら。身体的制約を抱えながらも、それを乗り越える創意工夫や改造楽器によって独自の音楽を表現する彼らの演奏が披露される。
Special×ONE Concertは、病気や事故、または先天的な理由で従来の奏法による演奏や歌唱が困難な人々が、自らの手法で音楽を奏でる姿を発信する場である。Onehand MUSIC Grooveは、「身体的な制約は音楽性を奪うものではなく、新たな表現を生み出す源泉である」との理念のもと、活動を続けてきた。
同団体の設立背景には、代表者自身の病気や怪我によってピアノ演奏が困難となり、深い喪失感を味わった経験がある。そんな中、片手で活動を続けるピアニストや世界中の障がいのある音楽家に出会い、「不完全でも音を奏でることは完成された表現である」との気づきを得たことが、活動の出発点となった。
これまでに2度のコンサートを開催しており、来場者からは「力強く心に響く演奏だった」「障がいに関係なくプロとしての演奏を聴いた」など、共感と称賛の声が多数寄せられている。
また、同団体は演奏体験の機会提供として、片手でも演奏できる「スライドリコーダー」を障がいのある子どもたちに贈る活動も展開している。この楽器は佐賀県在住の大坪武廣氏によって開発され、英国の支援団体OHMIによるコンペティションでも評価を受けている。
さらに2025年3月には、OHMI主催の国際カンファレンスに参加し、活動内容をポスター発表した。世界中の取り組みと接する中で、日本における支援の重要性と、同団体の役割の大きさを再認識したという。
今後は、障がいによって楽器演奏をあきらめた人々に向け、「どうしたら演奏できるのか」という当事者の声を集め、楽器製作者や研究者との協働を促進していく方針である。
「Special×ONE Concert 2025」は、障がいのある演奏者が自らの表現を発信する第一歩であり、音楽の可能性を広げるきっかけともなる重要な舞台となるだろう。
【公演概要】
日時:2025年7月6日(日)13:30開演(13:00開場)
会場:渋谷区文化総合センター大和田 6階 伝承ホール
出演:輝彦、工藤雄一、熊谷永子、清水まり、竹内正実
チケット:一般3,000円/学生・障がい者・介助者2,000円
主催:Onehand MUSIC Groove
詳細およびチケット情報は公式ホームページにて。