マーベル・コミックスとマーベル・スタジオは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)映画の世界観を基にした新作コミック『Fantastic Four: First Steps』を、2025年7月2日に発売すると発表した。本作は、コミック部門とスタジオ部門が共同で制作する初の試みとなる。
Fantastic Four: First Steps (2025) #1 (English Edition)
『Fantastic Four: First Steps』の脚本を担当したのは、『ホークアイ』『ファンタスティック・フォー』などで知られるマット・フラクション。作画は『ファンタスティック・フォー』『フェイブルズ』のマーク・バックンガム、カバーアートはフィル・ノトが手がけた。発行はFuture Foundationから行われる。
このワンショット・コミックは、映画『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス』の世界から飛び出した”アーティファクト”(世界観内アイテム)として設計されており、ファンの間で憶測を呼んでいたいくつかの事柄を正式に描写している。具体的には、今作がオリジン・ストーリーではなく、ファンタスティック・フォーがヒーローになってから4年後を描く物語であることが明かされた。
制作にあたっては、映画の美術監督カスラ・ファラハニの指導のもと、コミック制作陣が映画のトーンや雰囲気を綿密に反映。マット・フラクションをはじめとするクリエイター陣が映画の撮影現場を訪れるなど、両部門が緊密に連携して作り上げた。
さらに、ディズニーランドのトゥモローランドでは、ファンタスティック・フォーのキャラクターが登場することもSXSWで発表されており、同作品の世界観がパークにも拡大していく。
マーベル・コミックス編集長のC.B.セブルスキー氏は、次のようにコメントしている。 「ファンタスティック・フォーはマーベル・ユニバースの中心に位置する存在であり、彼らの物語は常に重要な役割を果たしてきた。『Fantastic Four: First Steps』という機会を通じて、出版部門とスタジオ部門が力を合わせ、映画とコミックの両世界に敬意を表することができた。互いにアイデアを出し合いながら、特別な一冊を生み出すことができたことを嬉しく思う。今夏、ファンの皆様にこの新たなファンタスティック・フォーを体験していただけるのが待ち遠しい」
また、セブルスキー氏は「マーベルの心臓部は常にコミックにあり、ケヴィン(・ファイギ)とスタジオのチームは、そのページを素晴らしい形で映画に生かしてきた。今回のコミックでは、両世界を融合させ、ファンがきっと喜んでくれる新たな体験を提供できると信じている」とも語った。
ファンタスティック・フォーは、1961年のコミック初登場以来、マーベルのストーリーテリングの象徴ともいえる存在であり、リアルな人間ドラマを持つキャラクターたちが同社の物語づくりの礎となってきた。今回の『Fantastic Four: First Steps』は、その伝統を受け継ぎつつ、MCUにおける新たな歴史を刻む一歩となりそうだ。