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VTuber市場、2025年度は1,260億円規模へ拡大 矢野経済研究所が調査結果を発表


グッズ・BtoBが成長を牽引、「インフルエンサー×IP」モデルが市場拡大の鍵に

株式会社矢野経済研究所は2025年4月28日、国内VTuber市場に関する最新調査結果を発表した。それによると、2025年度の市場規模は前年度比120.0%増の1,260億円に達する見込みである。

VTuber市場、グッズ収益を中心に高成長を維持

VTuber(バーチャルYouTuber)は、アニメ風のキャラクターで動画を配信する新興のコンテンツ形態として2016年に誕生。キズナアイの登場を契機に市場は形成され、特に新型コロナウイルス禍による在宅需要の高まりを背景に急速な成長を遂げた。

矢野経済研究所の調査によると、2023年度の国内VTuber市場規模は800億円(前年度比153.8%)に拡大。内訳としては、グッズ販売が445億円(構成比55.6%)と最大を占め、ライブストリーミング(160億円)、BtoB(131億円)、イベント(64億円)と続く。イベント、グッズ、BtoBの3領域が特に高い成長率を示した。

同研究所は、2025年度には1,260億円まで市場が拡大すると予測しており、VTuber市場は成熟期に入りつつも、依然として右肩上がりの成長を続けている。

VTuberの特徴は「IP」と「インフルエンサー」の両立

VTuberの最大の特性は、知的財産(IP)としてのキャラクター性と、インフルエンサーとしてのリアルな発信力を兼ね備えている点にある。アニメのようなビジュアルを持つ一方で、配信者(中の人)がリアルタイムで視聴者と交流し、生活感のある語りを通じて独自の個性を表現する。

このハイブリッドな存在は、IPビジネスとSNS時代のインフルエンサーマーケティングを結びつけ、企業とのタイアップ広告やライセンス商品化において高いエンゲージメントを実現している。特に、VTuberと価値観や活動方針が親和的な企業とのコラボレーションは、ファン層から強い共感を得ており、広告効果の面でも注目されている。

今後の展望:収益多角化とグローバル展開が加速

VTuber業界は、初期のライブストリーミング中心の収益構造から脱却しつつある。現在では、グッズ、タイアップ広告、IPライセンス事業など、収益の多角化が進行中だ。また、海外展開も活発化しており、日本国内の事務所によるグローバルファン獲得の取り組みに加え、海外におけるVTuber事務所設立の動きも目立っている

こうした状況から、VTuber市場は単なる一過性のブームにとどまらず、持続的な収益構造と国際展開を視野に入れた成長産業として定着しつつある。ファンの拡大と収益モデルの進化が相まって、VTuber市場は今後さらに注目を集めることになりそうだ。

ソース:VTuber市場に関する調査を実施(2025年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所