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ジョン・ウォーターズがアルモドバル監督を「世界最高の映画作家」と絶賛 チャップリン・ガラ50周年での名スピーチが話題に


スペインを代表する映画監督ペドロ・アルモドバルが、米ニューヨークのリンカーン・センター主催「第50回チャップリン・アワード・ガラ」にて生涯功労賞を受賞した。授賞式にはジョン・ウォーターズ、デュア・リパ、ロッシ・デ・パルマらが登壇し、アルモドバル監督への称賛が相次いだ。

「ジョージ・キューカーは女性蔑視だった」ウォーターズの辛辣な比較も飛び出す

式典の中でもひときわ注目を集めたのは、『ピンク・フラミンゴ』などで知られる映画監督ジョン・ウォーターズのスピーチである。ウォーターズはアルモドバル監督を「世界最高の映画作家」と称えた上で、「ジョージ・キューカーは、女性に関して言えばアルモドバルに比べて男性中心主義的なブタだった」と、名監督への痛烈な比較を行った。

さらにウォーターズは「アルモドバルの映画に出たいという女優は数え切れない。オーディションに自ら名乗りを上げるトップ女優も多い。ギャラ?そんなものはどうでもいい。僕だって出たいし、お金を払ってでも出る」と語り、アルモドバル作品の持つ吸引力を改めて強調した。

映画愛と多様性を体現するアルモドバルの魅力

ウォーターズはまた、アルモドバル作品に登場する女性像を「従来の美の基準を超越したスクリーンの女神たち」と形容し、「彼の手にかかれば、どんな非伝統的な美しさもグラマラスに輝く」と述べた。予算面でも効率的で、「短時間で物語を語り切り、低予算でも観客を魅了できる」と技術面にも賛辞を贈った。

また、アルモドバルが元アシスタントたちを端役として映画に登場させる点にも言及。「僕は毎回その役者が誰かを見つけ出して質問するのが楽しみだ」と語った。

アルモドバルの人柄と最新作にも言及

私生活でもアルモドバルの魅力は尽きない。ウォーターズは「彼は昔からの友人たちをずっと大切にしており、アメリカ訪問時には必ず彼らに会っている」とし、「ゲイであることをことさら誇示するのではなく、自然体で誰とでも分け隔てなく接する」とその人柄も称賛した。

また、2024年に刊行されたアルモドバルの短編小説&エッセイ集『The Last Dream』についても「ページをめくる手が止まらない名作」と評した。

映画タイトルを織り交ぜたユーモアあふれる締めの言葉

スピーチの締めくくりでは、アルモドバルの代表作を巧みに織り交ぜたユーモア満点の言葉が会場を沸かせた。

「ハイヒールで縛られながら、私は『私が、生きる肌』をまとう。私たちは、神経衰弱寸前の闘牛士だ。ここには『バッド・エデュケーション』なんて存在しない。僕は『すごく興奮してる』。いや、これは一体『私がこんなに不幸な目に遭うなんて!』って?ノーペイン、オールグローリーだ、みんな!」

今回のチャップリン・ガラでは、ペドロ・アルモドバルの40年以上にわたるキャリアと、革新的で情熱的な映画作りが改めて世界中から評価された。授賞式の模様は、世界の映画ファンにとっても記憶に残る一夜となったに違いない。

ソース:John Waters Calls Pedro Almodóvar the Best Director in the World