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『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』がYouTubeで無料配信開始 全26話を毎週金曜プレミア公開


SFアニメの金字塔『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(以下、S.A.C.)全26話が、「攻殻機動隊」公式YouTubeチャンネル(@GhostintheShellChannel)にて、本日2025年5月2日21時より無料配信を開始する。配信形式はプレミア公開で、毎週金曜21時に1話ずつ順次公開され、各話には2日間のアーカイブ視聴期間が設けられている。最終話の公開は10月24日を予定している。

本作は、士郎正宗による原作マンガをもとに、神山健治監督が手がけた近未来SFアニメ。Production I.Gが制作を担当し、音楽は菅野よう子が担当した。物語は高度にネットワーク化された未来社会を舞台に、電脳犯罪に立ち向かう公安9課の活躍を描く。原作が持つ哲学的テーマを継承しつつ、社会問題を連続ドラマ形式で巧みに描き出した作品として高く評価されている。

国内外で高い評価と実績を誇る『S.A.C.』

S.A.C.は2002年から2003年にかけてテレビ放送され、その後、2004年に第2期『S.A.C. 2nd GIG』、2006年に長編『Solid State Society(SSS)』が制作された。シリーズ累計でDVD・ビデオ出荷枚数は230万枚を超える大ヒットを記録し、2002年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、2003年東京国際アニメフェア優秀賞など数々の賞を受賞した。

劇場公開された3D版SSSは、2011年の公開からわずか20日で興行収入1億円を突破し、ぴあ映画満足度ランキングで89.5点の高評価を獲得。国内の評論家からは、「ハイエンドCGと社会派脚本の両立」が称賛され、特に“笑い男”編の構成力や菅野よう子による音楽演出が高く評価された。

一方、海外でもその評価は揺るがない。2004年に米Adult Swimで放送された際、18〜34歳のケーブル視聴率でトップを獲得し、Rotten Tomatoesでは批評家スコア67%・観客スコア96%を記録。IMDbでは8.5/10(2万2千件超の評価)、IGNによるレビューでは「Production I.Gの最高水準の作画」として9/10の評価がつけられた。また、2007年のAmerican Anime Awardsでは英語版声優Mary E. McGlynnが最優秀女優賞を受賞するなど、国際的な支持も厚い。

新作アニメや展示企画も続々展開

現在、「S.A.C.」シリーズを継承・拡張する展開も進行中だ。Blu-ray Disc BOX(特装限定版)は引き続き販売中であり、東京・世田谷文学館では「士郎正宗の世界展~『攻殻機動隊』と創造の軌跡~」が8月17日まで開催されている。

さらに、新作テレビアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の制作も進行中であり、2026年に放送が予定されている。アニメーション制作はサイエンスSARU、監督はモコちゃん、シリーズ構成・脚本は円城塔、キャラクターデザイン・総作画監督は半田修平が務める。

電脳時代を先取りした金字塔、今再び脚光を浴びる

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』は、単なるアニメ作品にとどまらず、現代社会におけるセキュリティ、個人情報、AI、国家と個人の関係といった深いテーマを描き出した先見的作品である。テレビシリーズながら、劇場クオリティの映像表現と、国際的に通用するストーリーテリングによって、後続のSF作品や実写化プロジェクトに大きな影響を与えてきた。

YouTubeでの無料配信を機に、その革新的内容を振り返ってみてはいかがだろうか。