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カリフォルニアの制作労働者、映画・TV税控除拡大法案への支持を州議会に強く訴える


カリフォルニア州における映画・テレビ業界の制作労働者が、州の映画・テレビ制作税控除プログラムの拡充法案(SB630およびAB1138)への支持を求め、州議会への働きかけを一層強化している。

Deadlineの報道によれば、2025年4月末の時点でサクラメント州議会に対し10万通以上の支持書簡が送付されたが、その数はわずか11日間で倍増した。この書簡活動は、「Keep California Rolling(カリフォルニアを動かし続けよう)」キャンペーンの一環であり、エンターテインメント労働組合連合(Entertainment Union Coalition)が主導している。

SB630/AB1138とは何か?──年7億5000万ドルの大型税制インセンティブ

この2本の法案は、年間最大7億5000万ドルの税控除枠を設けるとともに、適用対象となる制作ジャンルや規模を拡大する内容を含む。近年、制作拠点のカリフォルニア州外への流出(いわゆる”ランナウェイ・プロダクション”)が続き、州内の雇用と地域経済に大きな打撃を与えてきた。労働者らは今回の法案が「映像産業再生の起点になる」としている。

州議会での動きと展望

AB1138はすでに下院の歳入・税制委員会を通過しており、今後は上下両院本会議での採決が控えている。なお、共和党のカール・デマイオ議員が反対票を投じたが、与党側にとっては想定内の動きとされており、今後の審議における大きな障害にはならない見通しである。

また、カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサムも本法案に強い関心を寄せており、少なくとも資金面での拡張には前向きとされる。2025年5月5日には、上院歳出委員会においてSB630の審議が予定されている。

連邦レベルでの議論も視野に

州レベルの議論に加え、連邦政府でもハリウッド支援に向けた税制優遇の導入が検討されつつある。報道によれば、俳優ジョン・ヴォイトがドナルド・トランプ前大統領に対し、全米レベルでの制作支援策を提案する構えであるという。

現場からの声:「不安と決意の表れ」

エンターテインメント労働組合連合の代表であり、米監督協会(DGA)西部支部の責任者であるレベッカ・ライン氏は、「これほど多くの手紙や公聴会への出席は、労働者たちの不安と同時に、この業界に対する強い責任感と決意の表れである」と語っている。