俳優・プロデューサー・脚本家としてマルチに活躍するライアン・レイノルズが、マーベル・スタジオの人気キャラクター「デッドプール」の新たな展開として、X-MENとのチームアップ映画を構想中であることが明らかになった。『デッドプール&ウルヴァリン』が歴史的ヒットを記録してから9カ月、レイノルズは再びこのキャラクターの物語に取り組み始めている。
デッドプールの“ソロ終了宣言”後に浮上した新構想
2024年公開の『デッドプール&ウルヴァリン』は、全世界で13億3800万ドル(約2兆円)を超える興行収入を記録し、R指定映画史上最高の売上を達成した。しかしレイノルズ本人は、今後は単独主演としてのデッドプール映画には関与しない意向を繰り返し示してきた。
現在、彼は“3~4人のX-MENキャラクター”を登場させるアンサンブル型映画の脚本構想を進めており、自身が演じるデッドプールはサポート役としての出演にとどめる考えもあるという。レイノルズは「このキャラクターに物語上の必然性がある場合にのみ登場すべきだ」との持論を以前から示しており、今回はその一環とみられる。
配役未定ながら「ストーム」役にC・エリヴォも意欲
どのX-MENキャラクターが登場するかは明かされていないが、映画『ウィキッド』に出演するオスカー候補女優シンシア・エリヴォがMCUでの「ストーム」役を熱望していることは公然の事実である。配役はマーベル・スタジオの判断に委ねられる見込みだ。
なお、この新作案は現在『ハンガー・ゲーム』の脚本家マイケル・レスリーが手がけているMCU版X-MEN映画とは別企画である。
映画製作と並行し「Boy Band」など脚本業にも注力
レイノルズは現在、Paramount製作のコメディ映画『Boy Band(仮題)』の脚本リライトにも取り組んでいる。自身が主演し、親友ヒュー・ジャックマンの出演も予定されているこの作品は、往年のボーイズバンドメンバーが再結集する内容になる見込みで、豪華なカメオ出演にも期待が集まる。
俳優としての出演も続けつつ、ここ数年はプロデュースや脚本業へのシフトを鮮明にしている。彼はかつて「自分のストーリーを語ることに情熱を感じている。成功しても失敗しても、自分の責任であれば納得できる」と語っていた。
「チーム入りは物語の終着点」──レイノルズの哲学
昨年、The Hollywood Reporterのインタビューでレイノルズは「デッドプールがX-MENやアベンジャーズに正式加入すれば、それは彼の願望成就であり、物語の終わりを意味する」と述べた。この発言は、2025年4月に登壇した「Time 100 Summit」でも繰り返されている。「彼は孤独であるからこそユニークな存在。所属すれば、それはキャラクターとしての終焉だ」とも語っており、デッドプールの特異性を保つ姿勢は崩していない。
なお、レイノルズは『デッドプール&ウルヴァリン』でヒュー・ジャックマンのウルヴァリン復帰を実現させたほか、過去作ではセイバートゥース(タイラー・メイン)、パイロ(アーロン・スタンフォード)、コロッサス(ステファン・カピチッチ)といったX-MENキャラクターと共演。チャニング・テイタム(ギャンビット役を予定していた)にも役を用意しており、今後の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』ではテイタムやパトリック・スチュワート(プロフェッサーX)、イアン・マッケラン(マグニートー)ら旧X-MEN映画キャストの再登場も決定している。