呉美保監督による完全オリジナル映画『ふつうの子ども』が2025年9月5日（金）よりテアトル新宿ほか全国公開される。本作では、嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大というフレッシュな子役3人が主人公を演じ、さらに蒼井優、風間俊介、瀧内公美の出演が新たに発表された。5月5日の“こどもの日”に合わせて、ポスタービジュアルと特報映像も解禁された。
“ふつう”な子どもたちの小さな冒険と出会いが描く、ひと夏の物語
『ふつうの子ども』は、『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』で知られる呉美保監督と脚本家・高田亮による最新作である。主人公は小学4年生の上田唯士（うえだ・ゆいし）。ごく普通の10歳の少年でありながら、同級生の三宅心愛（みやけ・ここあ）に淡い想いを抱く。心愛は環境問題に関心が高く、大人にも意見する芯の強い少女。そんな彼女に近づこうと努力する唯士だが、心愛はクラスの“問題児”橋本陽斗（はしもと・はると）に惹かれている様子だ。
3人の関係は“環境活動”という意外な展開をきっかけに、思わぬ方向へと転がり出す。
実力派俳優たちが子どもたちの世界にリアリティを与える
主人公・唯士を演じるのは、映画『LOVE LIFE』や『アンダーカレント』で注目を集めた嶋田鉄太。呉監督作品には『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に続く出演となる。心愛役には、本作が初の本格芝居となる瑠璃が抜擢され、鮮烈な存在感を見せる。陽斗を演じる味元耀大は、「VIVANT」や「3000万」などで実績を持ち、繊細さと華やかさを併せ持つ演技が期待される。
さらに、子どもたちを取り巻く“大人たち”として、蒼井優、風間俊介、瀧内公美が出演。
蒼井は唯士の母・恵子役として、育児に悩みながらも子を信じ見守る母親像を丁寧に演じた。風間は唯士の担任教師・浅井役で、自然体の演技に定評ある持ち味を発揮。心愛の母・冬を演じた瀧内は、登場シーンの短さにも関わらず、印象的な存在感を残す。
ポスター＆特報映像も公開 ズリーン映画祭など海外映画祭にも出品決定
今回公開されたポスタービジュアルには、心愛の隣で話しかけようとする唯士と、それに目もくれず本を読む心愛の姿が描かれる。「いつだって、世界は『好き』で、まわってる」というコピーが印象的で、物語の始まりを予感させるデザインに仕上がっている。
特報映像では、唯士とクラスメイトたちの飾らない日常が切り取られ、本作のテーマである“子どもたちのありのまま”が強調されている。
また、本作は第65回ズリーン国際映画祭（チェコ）長編映画部門・子供部門への正式出品が決定。さらに第24回ニューヨーク・アジアン映画祭を含む複数の海外映画祭でも上映予定となっており、早くも国際的な注目を集めている。
【キャストコメント全文】
蒼井優
台本に詰まっている、夏のにおい、陽射し、足音、湿度、勢い。これらを全て映画館で体感できたらと思いました。完成した映画は、台本で感じた以上の夏でした。
スクリーンに映る彼らの夏であり、30年前の私の夏であり、娘の未来の夏だと思いました。
ご覧になるみなさんがどんな夏を感じられるのかとても楽しみです。
風間俊介
子ども達が生き生きと撮影に臨んでいたのがとても印象的でした。
物語の為に集まったのではなく、子ども達が集まった結果、物語が紡がれていった様に感じる、『そのまま』が詰まった映画だと思います。
その空気を澱ませないようにと心に決め、現場に向かっていた作品です。
子ども達の映画ですが、大人にこそ観てもらいたい映画です。
瀧内公美
ひと夏の思い出が紡がれていく様を映像が残していく。
子どもたちの記録映画のような中で、お邪魔しないように注意を払いながら現場にいたことを覚えています。
子どもたちと呉美保監督、時に呉美保先生とのやり取りがとにかく可愛くて愛おしくて、純真なこころに何度も触れました。
あの瞬間にしか切りとることのできない、瑞々しい日々がみなさんにも届きますように。
嶋田鉄太
僕が今回の撮影で印象に残ったことは、駐車場の撮影のシーンです。
車に排気ガスを出すな！などの、貼り紙をするのですが、衣装を自分で決めて良いと言われ、調子に乗り、夏場で暑いのに、『冬でもきねぇよ』と言われてしまうぐらいの服装にしてしまい、死にそうになりました。
さらにもう1つ印象に残っているシーンがあり、それは、心愛を探しに図書館に行き、見つけた心愛が神のように輝いて見えるという、図書館でのシーンです。ぼくは図書館の雰囲気が嫌いなのかとても気持ち悪くなり、少し寝込んでしまい、撮影が中断してしまいました。あの記憶はとても苦い思い出ですが、大変なこともあったけど、みんなと仲良く楽しく、良い映画が作れたと思います。
瑠璃
私はこの映画が初めての映画出演でした。
私たち子どもにとって、普通の日常が映画になっただけなのに、とっても面白くて感動して映画ってすごいなぁって思いました。
撮影が朝から夜までの時は集中力が切れないように3人でお昼寝したことも思い出です。
たくさんの人に支えてもらって、この映画に出れたのをとても誇らしく思っています。
こんな大切な役に私を選んでくれて、指導までしてくれた監督やスタッフのみなさんにとても感謝をしています。
味元耀大
橋本陽斗役の味元耀大です。
夏休み中の撮影は毎日とても暑く、みんなの顔が真っ赤になっていることも多かったのですが、スタッフさんがアイスや氷嚢を用意してくださり、とてもありがたかったです。
ずっと一緒に撮影していた唯士役の鉄太くん、心愛役の瑠璃さん、監督、プロデューサーさんをはじめ、すべてのスタッフの方々と過ごした夏休みは、僕にとってとても大切な時間になりました。
『ふつうの子ども』というタイトルですが、年齢を問わず、たくさんの方々に観てもらいたい作品です。
公式サイト：映画『ふつうの子ども』公式サイト