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「PJ ~航空救難団~」 3話感想「ヒーローは弱くてもなれる」– 白河(前田拳太郎)が宇佐美(内野聖陽)から学んだことと涙の先の成長物語


責任感の強い人ほど、弱みを見せるのが得意ではないということがよくある。テレビ朝日のテレビドラマ『PJ ~航空救難団~』の第3話は、そんな責任感の強いリーダー、白河智樹(前田拳太郎)にスポットが当てられた。

第3話は、エアーステーションの設置訓練から幕を開けた。水中訓練中に長谷部達也(渡辺碧斗)が意識を失い、宇佐美誠司(内野聖陽)が間一髪で救出する。溺死寸前の事態に、白河智樹(前田拳太郎)は自らの責任を強く感じる。

その後も手押し車による体力訓練が続き、白河は遅れ始める。先週、藤木さやか(石井杏奈)が溺れた際に何もできなかった後悔が尾を引いている様子だ。

訓練の過酷さに対し、乃木勇菜(吉川愛)は宇佐美に「これを普通に記事にしていいのか」と尋ねる。パワハラと捉えられかねない訓練をなぜ行うのかと問いかける勇菜に、宇佐美は「人は限界を知って初めて変われる」と語る。極限の中でしか見えない自分の姿があるという。

続いて、海上降下を想定した訓練が始まる。ヘリからの降下中、白河は恐怖にとらわれ、着地に失敗。頭を打ち、脳震盪のような状態に陥る。西谷ランディー(草間リチャード敬太)が心配するも、白河は気丈にふるまう。

白河の過去が徐々に明かされていく。父親が借金を残して失踪、児童相談所を経て施設で育ったという。親のいる勇菜の反発に、苛立ちを覚えるのも無理はない。白河は、同じ境遇の子どもたちに「親がいなくてもやっていける姿」を見せたくて救難員を志したと、かつて宇佐美に語っていた。

誰かのために成功したいと思う気持ちは立派だが、白河はその気持によって自分にプレッシャーをかけてしまっている。失敗は許されないという思いが彼の中でどんどん大きくなっていく過程が今回のエピソードでは描かれている。

そんな中、宇佐美の元妻・乃木真子(鈴木京香)が基地を訪問。基地内では人気者の真子に、宇佐美はどこか落ち着かない。お土産を分ける場でも、白河だけは頑なに受け取らず、自分を限界まで追い込んでいる姿が浮き彫りになる。

真子が家を売ると知り、勇菜は実家を失うことへの不満を口にする。宇佐美は「本籍などどこでもいい」と返すが、勇菜はその無神経さに距離を感じる。夜、沢井仁(神尾楓珠)と鉢合わせた勇菜は、父への理解を深めようとしていることを明かす。

再び訓練。今度はヘリから本物の海へと降下する訓練だ。「俺に人を救えるのか」とヘリ内で自問する白河は、ついに周囲の声も届かなくなり、訓練が中断される。

教官たちは白河の限界について議論するが、宇佐美は「稽古をつける」と一言。訓練生全員を野球場に集合させ、突如「相撲をやる」と宣言する。挑発するように白河を指名し、ヒーロー気取りだと挑む宇佐美。白河は土俵に入り、宇佐美に投げ飛ばされるたびに、自らの中に抱えた不安と劣等感を吐露する。

「自分はヒーローになれない」「救難員にもなれない」と叫ぶ白河に対し、宇佐美は「ヒーローってのは、弱くて情けなくてもなれる」「仲間を頼れ、家族のように甘えていい」と力強く返す。

再び、洋上降下訓練に臨む訓練生たち。互いに肩を組み気合を入れ、白河も見事な降下を成功させる。全員が成功し、宇佐美は「あっぱれだ」と喜びを爆発させる。

物語のラストでは、真子が沢井仁(神尾楓珠)は、かつて宇佐美が救えなかった人の息子ではないかと告げる。この真実を知った宇佐美は、今後沢井とどう向き合うのか。

責任感が強くて年齢的にも上の白河は弱みを周りに見せまいと必死だった。しかし、本作のテーマは「人は一人では生きられない、レスキューも仲間と協力してやるものだ」というもの。一人で突っ張って頑張っても上手くいかないものはいかないのだ。白河のようなタイプは人に頼る経験が少ない。他人に頼れるというのも立派なスキルなのだ。

登場人物
宇佐美誠司(内野聖陽)
沢井仁(神尾楓珠)
藤木さやか(石井杏奈)
白河智樹(前田拳太郎)
長谷部達也(渡辺碧斗)
西谷ランディー(草間リチャード敬太(Aぇ! group))
東海林勇気(犬飼貴丈)
近藤守(前田旺志郎)
乃木勇菜(吉川愛)
上杉幸三(和田正人)
沢井瑞枝(奥貫薫)
仁科芽衣(黒川智花)
大山順一(眞島秀和)
滝岡賢(長谷川朝晴)
中林誠(高岸宏行(ティモンディ))
森野明里(野村麻純)
堀越正一(宍戸開)
仁科蓮(濱田岳)
乃木真子(鈴木京香)