米国の音楽界を代表するスター、ビヨンセの最新スタジアムツアー「COWBOY CARTER TOUR」の開幕を受け、同名アルバムのストリーミング再生回数が急上昇している。2025年4月28日に米カリフォルニア州イングルウッドのSoFiスタジアムで華々しく幕を開けた本ツアーは、米国内の主要都市に加え、欧州数カ所を巡る予定で、世界中のファンの熱狂を呼んでいる。
Luminate社のデータによれば、ツアー開始直前の3日間(4月25日〜27日)における『COWBOY CARTER』の米国内オンデマンド再生数は470万回だったが、開始直後の3日間(4月29日〜5月1日)では1,020万回を記録。実に116%の増加である。中でも人気が急上昇した楽曲には「Ya Ya」(147%増で54.4万回)、「Protector」(207%増で43.8万回)、「Jolene」(118%増で40.5万回)などが挙げられる。
さらに、アルバムはビルボード200チャートにおいても順位を大きく回復。前週には193位まで後退していたが、今週(5月10日付)には一気に63位まで浮上した。この勢いがツアー期間中も継続するかどうか、注目されている。
マライア・ザ・サイエンティスト、新曲「Burning」でブレイクの兆し
R&Bシンガーのマライア・ザ・サイエンティストが新曲「Burning Blue」のリリースを機に、本格的なブレイクを果たす兆しを見せている。2025年5月2日に発表されたこのラブバラードは、彼女の恋人であるYoung Thugへの思いを綴ったものとされ、Apple Musicのリアルタイムチャートでは即座に首位を獲得。リリースからわずか4日間(5月2日〜5日)で730万回超の米国内オンデマンド音声再生を記録した。
これまでにもTee Grizzleyや21 Savageとのコラボ楽曲で注目を集めていたマライアだが、ソロアーティストとしてのチャート上位進出は今回が初の試みとなる。次週のビルボードHot 100入りも視野に入っており、2025年を代表するR&Bアーティストとして飛躍する可能性が高い。
ケイティ・ペリーの隠れた名曲「Thinking of You」、TikTokで再注目
一方、現在「Lifetimes Tour」を開催中のケイティ・ペリーにも意外な形で再評価の波が訪れている。2009年にリリースされたバラード曲「Thinking of You」が、ここにきてTikTokを中心に話題を呼び、再生数が急増中だ。
同楽曲は、デビューアルバム『One of the Boys』に収録されたヒット曲でありながら、当時の最高位はビルボードHot 100で29位と、ペリーの代表曲群に比べると控えめな結果に終わっていた。しかし現在はTikTokでの再編集やパロディ投稿がきっかけとなり、週次再生回数が4月24日終了週の27.9万回から、5月1日週には53.9万回とほぼ倍増している。
ツアーセットリストには未収録であるが、前座を務めるレベッカ・ブラックによるカバーを望む声も出ており、今後のライブ構成に影響を与える可能性もある。