『劇場版 Ado SPECIAL LIVE 心臓』を見てきた。公開されると知ってから楽しみだったのだ。
わりとライブ映画を見るのが好きなのかもしれない。テイラー・スウィフトの時も興奮した。ビヨンセは見逃してしまったのだが。ライブは生で体験してこそというのは、もちろんあるのだけど、飛んだりはねたりする体力がないけど、ライブの雰囲気は楽しみたいという時にライブ映画は、ライブビューイングは心強い。
実際、カメラの演出も入る見やすいというのもある。チケットによっては豆粒みたいに小さいアーティストを見るということにもなるわけだし。
シルエットでも存在感抜群のAdo
ただ、Adoの場合、全編通してシルエットということで、どれだけ存在感を映像から感じ取れるのかを多少心配していた。ライブ映画の醍醐味は、現地では小さくしか見えないアーティストを大画面で見られることにあるので、どっちみちシルエットのAdoの場合、そのアドバンテージはあるのかなと。
結論的には、全く杞憂だった。シルエットでも存在感が伝わる。というより、影法師のような黒の人影がゆらゆらと揺れながら大シャウトをしてみせ、会場を沸かせているのは爽快だった。姿は見えなくてもその声の圧で圧倒される。
そして、むしろ姿が見えないことによる神秘性みたいなものをライブだと感じ取れる。背景に巨大スクリーンがあってそこで様々な映像が流れるのだが、光を背負っている感じが神々しさを感じさせる。
松本孝弘と初音ミクがゲスト
B’zの松本孝弘の貫禄あるギターも聴けるし、初音ミクとの共演もあるし、大変充実した内容だった。初音ミクとの共演シーンは、Ado本人はシルエットで初音ミクはカラーがあるので、どっちが2次元の存在なのかわからなくなりそうになるのが面白い。
ボカロと歌い手文化への深い愛
なにより、ボーカロイドと歌い手という文化に対する愛情とリスペクトを強く感じさせるところに感動させられた。クレジットも「Utaite: Ado」なのがいい。
ボカロと歌い手カルチャーというのは、今の日本の音楽シーンの本流にいる人たちを生み出した。これは本当にすごいことだし、日本においてUGCカルチャーの最高峰だったんだと思う。
それと世界へ進出する強い思いも語っていたのが印象的だった。Ado、日本背負ってんな〜、頼もしいなあ、かっこいいなあと心底思った。
このライブ映像はU-NEXTでも見られるようだけど、映画館での鑑賞をおすすめする。劇場の良い音響で見る価値ある内容なので、普通の映画より少し高いけど損はない。2時間少しの上映時間、いい夢を見させてもらった。