情景師アラーキー&島木英文、緻密で幻想的な世界が高知・四万十に広がる
株式会社奇想天外および海洋堂ホビー館四万十の主催による特別展「超絶技巧!!ジオラマ・ミニチュア作家展」が、2025年4月26日より高知県四万十町にある海洋堂ホビー館四万十にて開催されている。会期は6月29日(日)まで。
本展は、名刺サイズの作品から大判の立体作品まで、精緻な技術で制作されたジオラマ・ミニチュア作品を一堂に会したものであり、まるで物語の一場面に迷い込んだかのような感覚を来場者に与えている。会場内は全エリア写真撮影が可能となっており、観覧者はお気に入りの角度や視点で作品世界を切り取って楽しむことができる。
情景師アラーキー作家独立10周年記念展――“超リアル”な情景が蘇る



展示の前半を飾るのは、「情景師アラーキー作家独立10周年記念展」である。リアルすぎるジオラマ作家として知られるアラーキー氏が、映画やアニメ、昭和の街角といった幅広いテーマから30点を出展。
代表作「ゴッサムシティー」や「思い出の駄菓子屋」をはじめ、名刺サイズのミニチュアから大判の風景までが揃い、その緻密な造形と写実感には圧倒される。アラーキー氏は1969年東京都生まれ。昭和ノスタルジーと映画的演出を融合させた作品で知られ、国内外で高い評価を得ている。
島木英文の「遠近法の魔術」――箱舞台に広がる幻想の日本空間




後半では、「遠近法の魔術師 島木英文の世界展」を開催。展示されている25点の作品は、建築士としての経験を活かして制作された「箱舞台」型のミニチュアハウスである。日本で初めてミニチュアに遠近法(透視図法)を用いたとされる島木氏の技術により、奥行きと空間の立体感がリアルに再現されている。
例えば、『京町屋の茶舗・香枦園』(京都)や『田中食料品』(広島)、『重枝醤油店』(山口)といった、昭和の街並みを感じさせる作品群は、細部に至るまで職人技が宿っており、作品に設置された照明が生み出す陰影が一層の臨場感を演出している。
島木英文氏(1951~2024)は山口県下松市出身。ミニチュア工房「カサ・デ・トンタ」を主宰し、建築設計の専門性とアートの融合により独自の世界を築いた。
写真撮影もOK!鑑賞+記録で楽しみ方が広がる


本展では全作品が写真撮影可能であるため、鑑賞者は気になった角度で撮影し、自宅に戻ってもそのディテールを堪能できる。特に「赤灯台の防波堤」(情景師アラーキー作)など、ズーム撮影によって細かな作り込みの妙が鮮明に伝わる。
イベント概要
-
会期:2025年4月26日(土)〜6月29日(日)
-
場所:海洋堂ホビー館四万十(高知県高岡郡四万十町打井川1458-1)
-
開館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30)
-
休館日:毎週火曜日(火曜祝日の場合は翌水曜日)
-
入館料:
-
一般(高校生以上):1,200円
-
小中学生:600円
-
未就学児:無料
-
※各種割引は公式HPを参照
-
-
主催:株式会社奇想天外、海洋堂ホビー館四万十
-
後援:高知県教育委員会、四万十町、四万十町観光協会、高知新聞社、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ
-
問い合わせ先:海洋堂ホビー館四万十 TEL:0880-29-3355