ラテンポップ界のスーパースター、シャキーラが2006年に放った世界的ヒット「Hips Don’t Lie」。同曲は今や彼女の代名詞ともいえるが、当初は発売の予定すらなかったという驚きの事実が本人の口から明かされた。
シャキーラは、2025年5月8日に放送された米人気番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』に出演。番組内で、ワイクリフ・ジョンとのコラボレーション曲「Hips Don’t Lie」について、当時ソニーミュージックの米国部門を率いていたドニー・アイナー氏に直談判してリリースを実現させた経緯を語った。
「すでにアルバム『Oral Fixation Vol. 2』は店頭に並んでいたの。でも、ある日ワイクリフと出会って、この曲が生まれた。私は『これは絶対にヒットになる』って確信していた」と振り返るシャキーラ。「それでドニーに電話して『店頭のアルバムを回収してでも、この曲を加えて再発売してほしい』って頼んだのよ。彼は最初、『そんなことできるわけない』って言ったけど、私は『信じて。これが出れば絶対にヒットする』って説得したの」
結果として、彼女の直感は的中。「Hips Don’t Lie」は2006年2月、再発売されたアルバムに収録され、米ビルボード・ホット100で2週連続1位を記録。グラミー賞4冠の実績を持つシャキーラにとって、現在も自身最高位のチャートパフォーマンスを誇る楽曲となった。シャキーラは「この曲が私の物語を変えた」と語っている。
なお、同番組では「Hips Don’t Lie」のリリース20周年を記念し、シャキーラとワイクリフ・ジョンがスタジオで同曲をパフォーマンス。ファンにとっては懐かしくも胸躍る共演となった。
現在、シャキーラは『Las Mujeres Ya No Lloran World Tour』の米国ツアー準備中で、5月13日のノースカロライナ州シャーロット公演を皮切りに各地を巡る予定。今年初めには中南米を中心とした公演も成功させており、ワールドツアーへの期待が高まっている。
昨年3月にはニューヨーク・タイムズスクエアでのゲリラライブを決行。40,000人を動員したこのサプライズ公演について、彼女は「発表の2時間前までは、本当に人が集まるか不安だった」と語っている。「開始30分前になっても車しか見えなくて、『これでキャリアが終わるかも』と思った。でも本番直前には、目の前が人の海になったの」
自らの直感と情熱を信じて動いたシャキーラの行動が、音楽史に残る名曲の誕生へとつながった。20年経った今なお色あせないその輝きは、彼女のキャリアの象徴であり続けている。
ソース:Shakira Tells Story Behind ‘Hips Don’t Lie,’ Pleading With Label