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「ウィキッド」ジョン・M・チュウ監督、Gold House Galaで「レジェンド賞」受賞──アジア系の誇りと次世代への決意を語るジョン・M・チュウ監督、Gold House Galaで「レジェンド賞」受賞──アジア系の誇りと次世代への決意を語る


2025年5月10日、米ロサンゼルスにて開催された「第4回Gold House Gold Gala」において、映画『クレイジー・リッチ!』や『ウィキッド』を手がけたジョン・M・チュウ監督が、エンターテインメント業界への貢献を讃える「Legend Award(レジェンド賞)」を受賞した。

チュウ監督は、Gold Houseの共同創設者であり、アジア系作品の劇場公開支援運動「#GoldOpen」の発起人としても知られる。本イベントでは、映画『ウィキッド』とその続編『Wicked: For Good』での歴史的成果が評価された。また、エンタメ分野においてアジア系が与えた影響を象徴する人物として「A1 in Entertainment and Media」にも選出された。

チュウ監督は壇上で、「我々はもう“席をもらったゲスト”ではない。この家を建てたのは我々自身だ。それも“黄金の家”だ。まだまだやるべきことはある」と力強く述べ、集まった観客たちを沸かせた。会場には、アーティストのH.E.R.や『モアナ2』の監督ダナ・ルドゥー・ミラー、名匠アン・リーらも出席していた。

過去を振り返り、チュウ監督は2013年公開の『G.I.ジョー バック2リベンジ』撮影時の思い出も語った。当時主演を務めたドウェイン・ジョンソン(ザ・ロック)が、「俺のような男が、君のような男に監督されるなんて、どれだけ幸運なんだ」と語り、肩を抱いて「兄弟、俺がついてる」と言ってくれたエピソードを披露。「あの時、自分のアジア人としての存在を完全に表に出す準備はできていなかったが、あの一言が種をまいてくれた」と感謝を表した。

また、#OscarsSoWhiteムーブメント以降に感じた変化にも触れ、「孤独ではなくなった」と語った。『ウィキッド』の撮影現場では、アカデミー賞女優ミシェル・ヨーや『SNL』のボウエン・ヤンと共に、「我々は最高のものを創る」と自信を持って語り合ったという。「今は、ただ表現の場を求めるのではなく、“史上最高”を目指す段階に来ている」と、次世代への希望をにじませた。

一方、この日もう一人の受賞者であるアン・リー監督は、「ブロークバック・マウンテン」や「グリーン・デスティニー」で知られる名匠。Gold Legend Awardを受賞したリー監督は、「アメリカで映画を撮るなど想像していなかった。台湾に戻って作品を撮るつもりだった」と語りつつ、「映画を学ぶことは、最高の映画学校に通っているようなもの。夢を追うことがすべてだった」と振り返った。

Galaの最後には、Gold House共同創設者のビン・チェンが登壇。「すべてを成し遂げる必要はない。ただ、何かひとつだけでもいい。あなたこそが“最初の一人”であり、その存在は世界で最も重要なのだ」と語り、会場の人々にエールを送った。

なお、今年のGold Galaでは、過去1年間にアメリカ文化と社会に貢献した100人のAAPI(アジア系アメリカ人および太平洋諸島系)個人が表彰された。ディナーでは、OpenTableが主催するフィリピン料理の特別メニューが提供され、James Beard賞受賞のシェフ、ロード・メイナード・リエラ率いる「Kuya Lord」が腕を振るった。