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トム・クルーズ、ジャック・ニコルソンとの共演秘話から「トップガン」続編を断り続けた理由まで語る――BFIでの特別トークで明かしたキャリアの核心


世界中で熱狂的なファンを持つ『ミッション:インポッシブル』シリーズ。その第8作目にして完結編となる『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の公開を控える中、主演のトム・クルーズが英ロンドンのブリティッシュ・フィルム・インスティチュート(BFI)で行われたキャリアを振り返るトークイベントに登壇した。彼はここで、自身の映画制作哲学、国際市場へのこだわり、そして「トップガン」続編を避けてきた背景など、多岐にわたる話題を語った。

アクションの革新を目指した『ミッション:インポッシブル』への挑戦

1996年公開のシリーズ第1作『ミッション:インポッシブル』は、クルーズにとって初のプロデューサー作品であった。当時、彼は『ア・フュー・グッドメン』や『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』などで人気絶頂にあったが、本作に惹かれた理由を「テーマ音楽が好きだった」と冗談交じりに語った。

だが実際には、アクション映画というジャンルを刷新するという野心が動機だったという。「アクションをどう進化させられるか、物語にどう感情を与えられるか。それを探るために、スタントやカメラ技術を徹底的に研究した」と語り、技術と表現力の両輪でジャンルを高めようとした姿勢がうかがえる。

「自作の映画学校」で学び、世界へと視野を広げる

クルーズは公式な演技学校には通わず、マーティン・スコセッシ、ダスティン・ホフマン、ポール・ニューマン、スティーヴン・スピルバーグといった名匠たちに直接話を聞き、彼らの仕事から学びを得てきた。「映画、スタジオシステム、流通まですべてを研究した」とし、若手時代にはスタジオに掛け合い、各国に自らを派遣させて海外の映画制作現場を体験したという。

ハリウッド中心主義が色濃かった当時にあって、クルーズは「グローバルな視点」を重視。現地でのプロモーションを兼ねて国際プレミアという概念を導入し、「ハリウッド文化を各地に持ち込みながら、演技の仕事にも支障が出ないようにした」と語る。

ジャック・ニコルソンとの対峙と「トップガン」続編への距離

ロブ・ライナー監督の『ア・フュー・グッドメン』では、法廷シーンでジャック・ニコルソンとの対決が話題となった。クルーズはその撮影時を振り返り、「撮影現場のギャラリー席が満員だった。町中があのシーンの撮影を知っていて、見に来ていた」と回想。ニコルソンとの共演は「卓越した経験だった」と評価した。

一方で、クルーズを一躍トップスターに押し上げた『トップガン』については、続編制作のオファーを長らく断り続けていた。「スタジオは何度も続編を求めてきたが、自分はもっと多様な挑戦をしたかった」と述べ、若手俳優としての成長を優先したという。

『トップガン』の監督トニー・スコットとは、兄リドリー・スコットの紹介で出会った。主演契約を結ぶ際には、ジェリー・ブラッカイマーやドン・シンプソンらプロデューサーの仕事を間近で学ぶ権利も交渉に含めるなど、早くから制作面への関与を強めていた。

映画への情熱は衰えず、次なる夢は「ミュージカル」

今後挑戦したいジャンルについて尋ねられると、クルーズは「ミュージカルをやってみたい」と即答。「自分のゴールは尽きることがない」と話し、会場から大きな拍手を浴びた。

BFIフェローシップ受賞、そして『ミッション:インポッシブル』完結編へ

今回のロンドン滞在の主目的は、BFIより授与される名誉賞「BFIフェローシップ」の受賞である。同賞は英国映画界最高の栄誉とされ、過去にはスパイク・リー、クリストファー・ノーラン、マーティン・スコセッシ、黒澤明らが名を連ねている。

クルーズは来週、フランス・カンヌ国際映画祭にて、クリストファー・マッカリー監督・脚本による『Mission: Impossible – The Final Reckoning』のプレミアに登場予定である。本作にはヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグらシリーズおなじみの面々も出演し、米国では5月23日にパラマウント・ピクチャーズ配給で公開される。

ソース: Tom Cruise Talks Dueling With Jack Nicholson, Forcing Studios To Embrace International Markets & Why He Spent Years Avoiding Proposals For ‘Top Gun’ Sequels