米ロックバンドのパール・ジャムは、人気ゲームおよびHBOドラマ『The Last of Us』シリーズとの長年の関係を反映した4曲入りEPを発表した。配信各社でのデジタル配信に加え、バンド公式ファンクラブ「Ten Club」会員限定で12インチ・アナログ盤も発売されている。
本作には、2013年のアルバム『Lightning Bolt』に収録されたオリジナル音源「Future Days」や、2002年作『Riot Act』からの「All or None」を収録。さらに、2024年のオハナ・フェスティバルで収録された「Future Days」のライブ音源、新たな解釈で再構成された『No Code』収録曲「Present Tense」のリダックス・バージョンも含まれている。
中でも「Future Days」は、『The Last of Us Part II』の感動的な場面で、キャラクターのジョエルがエリーにこの楽曲を弾き語ることで強い印象を残している。作中ではこの曲が二人の絆と喪失を象徴するモチーフとして繰り返し登場しており、ファンの間でも特別な意味を持つ。
この曲がゲームの枠を超えて披露されたのは、2020年に開催された「The Game Awards」でのエディ・ヴェダーによるパフォーマンスが初めてである。さらに、HBOドラマ版シーズン2の第5話では、シアトルの劇場内でエリーがギターを手に取り「Future Days」の冒頭を静かに歌うシーンが登場し、ゲーム版の回想シーンを思わせる演出が話題となっている。
なお、今回のEPは、パール・ジャムが2025年に展開中のワールドツアー「Dark Matter Tour」の最中にリリースされた。同ツアーは12枚目のスタジオアルバム『Dark Matter』のリリースを記念したもので、同作は米ビルボード200で初登場5位を記録している。北米および欧州各地での公演が行われており、ナッシュビルでのピーター・フランプトンとの共演による「Black」の演奏など、話題性の高いステージが続いている。
パール・ジャムの新たな試みは、音楽とストーリーテリングの融合によってファンの記憶に深く刻まれる作品となりそうだ。