高良健吾、中島瑠菜、小沢まゆ、笠兼三が共演──笠智衆に憧れた少女の青春群像劇
映画『レイニーブルー』の劇場公開が決定した。本作は、大阪アジアン映画祭で初披露され話題となった、柳明日菜の初監督・脚本・主演による青春映画である。公開は2025年7月4日より熊本・Denkikanにて先行、7月18日よりアップリンク吉祥寺にて全国順次公開が開始される。これにあわせて、ポスタービジュアルおよび予告編も解禁された。
目次
笠智衆の故郷・熊本を舞台に、現役高校生が描くリアルな青春
舞台は小津安二郎作品で知られる名優・笠智衆の出身地、熊本県玉名郡玉東町。柳明日菜は同町出身であり、地元に深い縁を持つ。彼女は本作で、自らの実体験を基に「学校に行けなかった時期の葛藤」や「映画によって人生が変わる出会い」を描いた。青春期の不安や揺れ動く感情を丁寧に掬い取った群像劇に仕上がっている。
柳は「映画や演劇には人の心を変える力があると信じている。10代のうちに映画をつくりたいという夢を叶えた本作が、誰かの心に小さな火を灯してほしい」とコメントしている。
『レイニーブルー』あらすじ
映画同好会で唯一の部員である高校生・中山蒼(柳明日菜)は、敬愛する俳優・笠智衆の卒業校に通っている。進路に悩み、父親との関係にもぎくしゃくしたものを抱える蒼は、ある日部室で古びた脚本を見つける。「誰が、どんな気持ちで書いたのだろう?」と想像を膨らませるうち、彼女の内面に変化が生まれていく。やがてラジオから流れてきた徳永英明の名曲「レイニーブルー」が、彼女の感情に静かに火を灯す──。
実力派キャストと地元愛に満ちた制作体制
柳に加え、共演には熊本出身の俳優・高良健吾や、実力派若手女優の中島瑠菜、小沢まゆ、そして笠智衆の孫・笠兼三が名を連ねている。熊本の風景を背景に、登場人物たちの交錯する想いや葛藤が静かに描かれる。
映画内では、挿入歌として徳永英明の「レイニーブルー」が使用されており、主人公の内面の不安や揺らぎを情感豊かに彩っている。
キャスト・関係者からの応援コメント
小沢まゆ
「熊本で過ごした高校時代の自分を思い出した。夢を追いかけた日々を肯定してくれるような作品だった」と振り返る。
中島瑠菜
「地元・熊本での撮影は心温まる時間だった。柳監督の世界観に惹かれ、『寺田』という役で参加できたことを誇りに思う」と語る。
笠兼三
「地元と映画への愛情に満ちた現場だった。笠智衆へのリスペクトが随所に込められていた」と述べた。
映画界からの高い評価と期待
奥山和由(映画監督・プロデューサー)
「柳明日菜の表情に、日本映画の未来を切り拓く光を見た」と称賛。
竹中直人(俳優・映画監督)
「ピュアでみずみずしい感性が光る作品。チャーミングな映画体験をありがとう」と感謝を述べた。
暉峻創三(大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)
「17歳の揺れる心が、あらゆるショットを通じて伝わる。未来への希望に満ちた映画」と評価した。
遠藤洋路(熊本市教育長)
「高校生と大人の絶妙な距離感が印象的。熊本から羽ばたく若き才能を心から応援している」とコメントを寄せた。
『レイニーブルー』公開情報
先行公開:2025年7月4日(金) 熊本・Denkikan
全国公開:2025年7月18日(金) アップリンク吉祥寺 ほか順次公開予定