目次
violinist竜馬の書き下ろし楽曲と共に江戸時代へタイムスリップ
角川武蔵野ミュージアムにて、体感型デジタルアート劇場「浮世絵 RE:BORN」が開催される。本展覧会では、江戸時代の庶民文化を代表する浮世絵をデジタル技術で再構築し、来場者が浮世絵の世界に没入できる革新的な体験を提供する。
浮世絵の魅力をデジタル技術で現代に蘇らせる画期的な企画
浮世絵は江戸時代に誕生した日本独自の芸術表現である。木版印刷により量産され、庶民に親しまれたこの芸術形態は、当時の重要なメディアとしての役割も担っていた。喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳といった名だたる浮世絵師たちが描いた作品には、武者絵、役者絵、美人画、風景画など多様な主題が含まれ、江戸時代の人々の日常生活や文化を現代に伝えている。
今回の展覧会では、角川武蔵野ミュージアムがクリエイティブディレクターのジャンフランコ・イアヌッツィと共同で制作したイマーシブ作品を上映する。来場者は浮世絵の世界観の中で名所や宿場町を巡り、芝居小屋での歌舞伎鑑賞や伝説の生き物・妖怪との出会いを通じて、江戸時代の人々が感じた喜びや楽しさを体感できる仕組みとなっている。
竜馬四重奏のリーダー、violinist竜馬による完全オリジナル楽曲を制作
本展覧会の音楽は、竜馬四重奏を率いるヴァイオリニストの竜馬が完全書き下ろしで制作した。ストリングス、ピアノ、尺八、箏などの和楽器を組み合わせたモダンな演奏により、デジタルアートと融合した新しい浮世絵体験を創出している。
竜馬は年間220公演をこなす実力派アーティストでありながら、本プロジェクトには「ただならぬプレッシャーを感じた」と語っている。2024年10月から制作を開始し、長期間にわたって信頼できる仲間たちと挑戦を続けた結果、最高のパフォーマンスが完成した。
制作過程を収めた密着取材動画をYouTubeで公開中

展覧会のプロモーションの一環として、竜馬の楽曲制作過程を収めた密着取材動画がYouTubeで公開されている。動画制作はスタジオピース(鹿島秀憲・鹿島真理子)が担当し、アーティストの創作活動の舞台裏を詳細に記録している。
竜馬のプロフィールと多岐にわたる活動
ヴァイオリニストの竜馬は、東京音楽大学在学中からプロ活動を開始し、大河ドラマ『龍馬伝』や映画『ALWAYS 三丁目の夕日』をはじめとする300本以上の映像作品の演奏を手がけている。作曲家としても、テレビ番組のテーマソング、野球日本代表侍JAPANの応援歌、CM、舞台、ファッションショーなど幅広い分野で活躍している。
和楽器とヴァイオリンを組み合わせたインストゥルメンタルバンド「竜馬四重奏」を立ち上げ、独自の音楽スタイルで国際的な評価を獲得している。皇族への御前演奏やアメリカ、スペインなど海外でのライブ演奏も多数経験している。
音楽活動以外では、「フラワーバレンタイン」プロジェクトやオリジナル日本酒醸造プロジェクトなど、愛をテーマにした社会貢献活動も展開している。2020年に開始した「SYURI NO UTAプロジェクト」は首里城再建への支援を目的とし、2021年に沖縄県首里城再建公式ソングに採用された。この楽曲は英語、スペイン語、ポルトガル語、中国語に翻訳され、世界規模での反響を呼んでいる。
2023年のアーティスト活動15周年を機に「RYOMA CHALLENGE」を発表し、RYOMA JAPANとして日本を代表するアーティストの活躍の場を創出する活動を継続している。
来場者の常識を超える体験を提供
「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN」は、従来の美術展覧会の枠を超えた革新的な文化体験を提供する。浮世絵の魅力と日本文化の深さを視覚、聴覚、触覚を通じて体感できる本展覧会は、来場者の常識を覆す新しいアート体験となることが期待される。
江戸時代の文化遺産をデジタル技術で現代に蘇らせる取り組みは、文化継承の新しい形として注目を集めており、今後の文化施設での展示手法にも大きな影響を与える可能性がある。