インディー映画製作における資金調達の厳しい現実
5度のオスカー候補となったリチャード・リンクレイター監督が、インディー映画製作における資金調達の困難について率直に語った。同監督は「偽装して成功するまで続ける」という黄金律に従って映画製作を行っていると説明している。
カンヌで開催されたIndieWireの「Future of Filmmaking Summit」において、リンクレイター監督はインディー映画製作者としての苦悩を明かした。資金提供者から投資を得るためには「安い詐欺師になる」必要があり、「ある種の魅力」を持つことが不可欠だと述べている。
自信と信念の重要性を強調
「誰もあなたを支援したがらないということは、まだ準備ができていないということだ」とリンクレイター監督は語った。「自信が足りないか、人々があなたを信じるために必要な何かがあなたから滲み出ていないのかもしれない。それは通常、自分自身を信じることだ。それを偽ることはできない。自分の経験、自信、努力と献身を通してそれを勝ち取らなければならない」
最新作『ヌーヴェル・ヴァーグ』がカンヌで大成功
これらのコメントは、リンクレイター監督の最新インディー作品『ヌーヴェル・ヴァーグ(New Wave)』が先週土曜日にカンヌ映画祭でプレミア上映され、11分間のスタンディングオベーションを受け、複数の米国バイヤーの注目を集めた後に発表された。
『ヌーヴェル・ヴァーグ』では、ギヨーム・マルベックがフランス系スイス人映画監督ジャン=リュック・ゴダールを演じ、1960年の代表作『勝手にしやがれ』をパリで撮影する姿を描いている。
1960年代の美学を再現した意欲作
この作品は、元となった傑作映画と同じ温かみのある1960年代の白黒フィルム美学を特徴とし、「ゴダールが『勝手にしやがれ』を製作したスタイルと精神で語られている」という。リンクレイター監督が演出を手がけ、脚本はヴィンス・パルモ、ミシェル・アルベルシュタット、レティシア・マッソン、ホリー・ジェントが共同で執筆した。
ゴダール役のマルベックに加え、キャストにはアメリカ人女優ジーン・セバーグ役のゾーイ・ドゥイッチ、フランス人共演者ジャン=ポール・ベルモンド役のオーブリー・デュランが名を連ねている。
インディー映画界への示唆
リンクレイター監督の発言は、独立系映画製作者が直面する現実的な課題と、成功のために必要な心構えを浮き彫りにしている。資金調達の困難さを乗り越えるには、技術的なスキルだけでなく、自信と説得力が不可欠であることを改めて示した形だ。
ソース: Richard Linklater Explains “Cheap Hustler” Approach To Indie Film Financing: “You Can’t Fake That”