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フィリピンの巨匠ラヴ・ディアス監督、アレクサンドル・デュマ原作『アマゾン』の映画化を発表


カンヌ映画祭で話題の監督が初の英語作品に挑戦、国際的キャストで年内撮影開始予定

フィリピン映画界の巨匠として知られるラヴ・ディアス監督が、フランスの文豪アレクサンドル・デュマの知られざる短編小説『アマゾン』の映画化を発表した。本作は監督初の英語作品となり、国際的に著名な俳優陣の出演が予定されている。

ガエル・ガルシア・ベルナル主演『マゼラン』に続く新プロジェクト

ディアス監督は最新作『マゼラン』がカンヌ映画祭でワールドプレミアを迎えたばかりで、同作にはガエル・ガルシア・ベルナルが主演している。新作『アマゾン』は現在プリプロダクション段階にあり、監督の母国フィリピンでの撮影が予定されている。

国際共同製作で実現する野心的プロジェクト

製作は、ディアス監督が主宰するSine Olivia Pilipinasと、フランスの制作会社Silverbelt Filmsが手がける。Silverbelt Filmsは、Films Boutiqueでの経験を持つピエール=イヴ・ベザが2023年1月に設立した新興制作会社である。

約200年前の物語が現代に蘇る

『アマゾン』は、舞踏会で仮面をつけた謎めいた女性と出会った青年の物語である。女性は正体を明かすことを拒み、もし関係を暴露すれば殺すと青年に誓わせる。デュマの原作は約200年前に書かれたものだが、現代性を帯びたテーマとして注目されている。

ベザ氏は「ラヴ・ディアスは、デュマのこの深遠で知られざる物語について最初に議論した時から、非常にインスピレーションを受けていた。この作品は約200年後の今、かつてないほど現代的に感じられる」とコメントしている。

現代の独裁者への言及も

ディアス監督自身も作品への思いを語っている。「ピエール=イヴ・ベザとこの作品について議論して以来、このデュマの物語は何度も私の心を打ち続けている。『アマゾン』の物語には深い感情と深い謎があり、現代の独裁者たちの仮面が日々剥がれ落ちている今、かつてないほど現代的である」

世界三大映画祭での受賞歴を誇る巨匠

ディアス監督はこれまでに数々の国際的な賞を受賞している。2014年にはロカルノ国際映画祭で『From What Is Before』が金豹賞を、2016年にはベルリン国際映画祭で『A Lullaby to the Sorrowful Mystery』がアルフレッド・バウアー賞を、同年ヴェネツィア国際映画祭では『立ち去った女』が金獅子賞を受賞している。

撮影は年内開始予定、資金調達は最終段階

『アン・アマゾン』の撮影は今年末に開始予定で、現在資金調達が最終段階にある。Silverbelt Filmsは映画製作のほか、カンヌ映画祭批評家週間のコンペティション部門に選出されたカルメン・ルロワ監督の『Free Drum Kit』などの短編作品の配給も手がけている。

国際的な注目を集めるフィリピン映画界の重鎮による新作は、映画ファンや業界関係者から大きな期待が寄せられている。

ソース:Lav Diaz to Direct ‘An Amazon’ With Silverbelt Films on Board