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オスカー会員に「興行関係者枠」を!劇場公開重視のアカデミーに突きつけられた要求


6月末に予定されているアカデミー映画芸術科学協会の新規会員招待を前に、映画館オーナーや興行関係者らがオスカー投票権の獲得に向けた積極的な働きかけを行っていることが明らかになった。

興行関係者の会員数は圧倒的に少数

現在、推定1万1000人のアカデミー会員のうち、映画興行関係者はわずか5人にとどまっている。この中には、IMAX社CEOのリチャード・ゲルフォンド氏、アラモ・ドラフトハウス・シネマ創設者のティム・リーグ氏、レーメル・シアターズCEOのグレッグ・レーメル氏らが含まれる。

しかし、アカデミーが劇場公開要件を厳格化している現状において、興行関係者らは自分たちの代表が著しく不足していると主張している。

「すべての作品を観る」専門集団

ある匿名の興行関係者は「オスカーには投票者がすべての映画を観るという新しい要件があるが、確実にすべてを観ていると分かる集団を含めないのはなぜか」と疑問を呈した。「私たちはすべてを観ている。当然のことだ」と述べている。

アカデミーの構造変化と劇場公開重視の方針

アカデミーは現在19の部門で構成されており、2023年には最新の「プロダクション・テクノロジー部門」が新設された。2024年にはアニメーション長編・短編部門が分割されるなど、組織構造の見直しが続いている。

また、作品賞候補の劇場公開要件も2年前から厳格化されている。従来の6都市(ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、マイアミ、アトランタ)での1週間上映に加え、より広範囲での劇場公開が義務付けられた。

大手から独立系まで、幅広い興行関係者が対象

会員資格への関心は、AMCシアターズのアダム・アロン氏、シネマークのショーン・ギャンブル氏、リーガル・シネマズのエドワード・アクーニャ氏ら大手チェーンの経営陣にとどまらない。

メキシコのシネポリスを率いるアレハンドロ・ラミレス・マガーニャ氏、インドのPVR INOXのパヴァン・ジャイン氏といった国際的なリーダーから、ニュージャージー州の5スクリーン映画館「クランフォード・シアター」のオーナー、ドリーン・サイエー氏のような独立系興行主まで、多様な関係者が注目している。

映画産業の健全性確保に向けた重要な一歩

アカデミーは劇場生態系の強化が映画産業の健全性と将来にとって不可欠であると繰り返し強調している。より多くの興行関係者を組織に迎え入れることは、アカデミーの信頼性向上と、映画観客に最も近い立場にある専門家の意見を反映させる論理的な次のステップとなる可能性が高い。

会員資格は招待制で、多くの候補者は希望する部門の既存会員2名からの推薦が必要となる。最終決定はアカデミー理事会が行う。

ソース:Movie Theater Owners Want to Vote for Oscars, Push to Join the Academy