2025年5月30日(金)に公開されたソニー・ピクチャーズの最新作『カラテ・キッド:レジェンド』が、金曜日および先行上映を含む全米3,809館で興収750万ドルを記録し、デビューを果たした。しかし、『リロ&スティッチ』や『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の牙城を崩すには至らなかった。
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■『カラテ・キッド』新作、往年ファンの支持受けつつも控えめな出足
1984年のオリジナル作品をルーツに持つ『カラテ・キッド:レジェンド』は、週末3日間で2,100万〜2,300万ドルの興収が見込まれており、当初の予測2,500万ドルから下方修正された。それでも、製作費4,500万ドルという比較的低コストで制作された本作は、シリーズファンのノスタルジーを刺激している。
物語は、ジャッキー・チェンとラルフ・マッチオが再共演し、新たな若き弟子(ベン・ワン)を指導するという内容。『コブラ会』のシリーズ終了直後という絶好のタイミングもあり、観客層の期待は高い。レビューは概ね中立的だが、観客の反応は好意的で、CinemaScoreでは「A-」の高評価を獲得している。夏休みシーズン本格化に伴い、今後の伸びが注目される。
■『リロ&スティッチ』実写版が家族層の支持で快進撃
ディズニーによる『リロ&スティッチ』の実写リメイク版は、2週目の金曜日に1,700万ドルを追加し、累計興収は2億3,400万ドルを突破。メモリアルデー週末には1億8,260万ドルを記録し、歴代同週末の最高記録を樹立した。制作費1億ドルながら、当初はDisney+向けに企画されていたことを考えると、劇場公開の成功は特筆に値する。
■『ミッション:インポッシブル』最終章は堅調な推移
トム・クルーズ主演のシリーズ第8作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は、2週目の金曜日に7,500万ドルを記録。週末の興収は2,670万ドルと見込まれており、公開初週から58%の減少。国内累計はすでに1億ドルを突破し、10日間で1億2,200万ドルに達する見通し。
シリーズ前作と比較しても堅実な滑り出しだが、本作の制作費は4億ドルに達しており、コロナ禍のプロトコルやストライキの影響で膨らんだコストを回収するには、今後のロングランがカギとなる。
■『ファイナル・デスティネーション:ブラッドライン』がシリーズ記録を更新
ホラー作品『ファイナル・デスティネーション:ブラッドライン』は金曜日に320万ドルを加算し、国内累計は1億410万ドルに到達。シリーズ過去最高記録である2009年の『ザ・ファイナル・デスティネーション』の6,600万ドルを大幅に上回っており、興行面での快挙となっている。
■A24新作『ブリング・ハー・バック』が好スタート
A24の新作『ブリング・ハー・バック』は、金曜日と先行上映で310万ドルを記録し、全米2,409館で5位に初登場。フィリッポ兄弟による前作『トーク・トゥ・ミー』に続く期待作で、批評家からも高評価。観客調査でもCinemaScore「B+」を獲得しており、ホラーとしては好意的な反応を得ている。6月20日公開の『28イヤーズ・レイター』までは競合作品が少ないため、今後の伸びに期待がかかる。
■ウェス・アンダーソン最新作、限定公開で好発進
フォーカス・フィーチャーズ配給のウェス・アンダーソン最新作『ザ・フェニキアン・スキーム』は、ロサンゼルスとニューヨークの6館で限定公開され、金曜日と先行上映で27万ドルを記録。カンヌ国際映画祭で初披露された本作は、来週以降に全米へ拡大公開される予定である。