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加古川図書館で6月11日まで展示 天久鷹央の推理カルテなど人気作品のキャラ原案者が手掛ける
兵庫県加古川市は6月2日、加古川観光大使を務めるイラストレーター・いとうのいぢ氏が、同市のまちの魅力発信キャラクター「かこのちゃん」の新イラストを完成させたと発表した。新イラストは、かこのちゃんファンアートコンテストの最優秀賞作品2点をもとに描きおろされたもので、同日午後1時から6月11日午後3時まで加古川図書館で無料展示される。

ファンアートコンテスト最優秀賞作品がプロの手で新たに
今回イラスト化されたのは、一般部門最優秀賞を受賞したころちゃん氏の作品と、小中学生部門最優秀賞を受賞した藤井美緒氏の作品の2点である。いとうのいぢ氏が審査員を務めたファンアートコンテストで選ばれた優秀作品を、同氏自らが新たにイラスト化する取り組みは注目を集めている。
県外からも200点超の応募 かこのちゃん人気の高さを証明
かこのちゃんファンアートコンテストは「かこのちゃん」5大プロジェクトの第3弾として実施された。一般部門と小・中学生部門の2部門でファンアートを募集したところ、県外も含めて200点を超える応募があり、キャラクターの人気の高さを証明する結果となった。審査員のいとうのいぢ氏が各部門から5点ずつを選出し、表彰を行った。

いとうのいぢ氏のプロフィールと実績
いとうのいぢ氏(1977年8月9日生まれ)は加古川市出身のイラストレーターで、2023年8月から同市の観光大使を務めている。現在の日本を代表するイラストレーターとして幅広い支持を得ている。
1990年代末にSoftpalへ就職し、UNiSONSHIFTレーベルでゲーム原画家としてキャリアをスタート。『Peace@Pieces』『忘レナ草』『ななついろ★ドロップス』『Flyable Heart』など多数のビジュアルノベル作品を手掛けた。
2000年代ライトノベル黄金期を象徴する存在
2002年から始まった『灼眼のシャナ』(著:高橋弥七郎)の挿絵・キャラクター原案を担当し、累計850万部超のヒット作品となった。続く2003年からは『涼宮ハルヒ』シリーズ(著:谷川流)の挿絵・キャラクター原案も手掛け、全世界累計2000万部超という驚異的なセールスを記録した。
これらの大ヒット作品により、”制服×スレンダー体型×繊細な瞳”という〈のいぢ風〉がライトノベル表紙の定番スタイルとなり、2000年代の”ライトノベル黄金期”を象徴する存在となった。
多岐にわたる創作活動
ライトノベル挿絵以外にも、コンシューマーゲーム『シャイニング・フォース フェザー』のキャラクターデザイン、漫画『Bee-be-beat it!』の原作・作画、『Another』角川スニーカー文庫版のカバーイラストなど、多岐にわたる分野で活躍している。
展覧会開催と地域活性化への貢献
2023年には過去最大規模の原画展「いとうのいぢ展 ぜんぶ!」を兵庫・東京で開催し、200点超の原画を展示して多世代のファンが来場した。故郷である加古川市の観光大使として地域活性化にも積極的に取り組み、オリジナルキャラクター「かこのちゃん」を制作するなど、「ポップカルチャー×地方創生」のモデルケースとしても注目されている。
加古川図書館での展示詳細
展示期間: 2025年6月2日(月)午後1時~6月11日(水)午後3時 展示場所: 加古川図書館 入場料: 無料 展示内容: いとうのいぢ氏描きおろし「かこのちゃん」新イラスト2点、ファンアートコンテスト受賞作品
地域キャラクターと人気イラストレーターのコラボレーションによる貴重な作品展示となっており、アニメファン、イラストファンをはじめ多くの来場者が期待される。