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VTuber事務所運営のPLAN-B、民俗学視点でバーチャル文化を記録する専門誌を発売
合同会社PLAN-Bが運営するVTuber事務所・出版社「GAMABOOKS」は、バーチャル文化普及史マガジン「Hukyu(ふきゅう)」を2025年6月30日に創刊すると発表した。創刊号では「VTuber×民俗学」をテーマに、民俗学の視点からVTuberを多角的に捉えた記録誌として注目を集めている。

民俗学の視点でVTuberを記録する画期的な試み
同誌は「VTuberを続(つ)ぐ、民俗学で継ぐ」をコンセプトに掲げ、日々膨大なコンテンツが生み出されるVTuber文化を学術的な視点から記録することを目指している。特にVTuberには「中の人などいない」という独特の世界観があり、公式な記録に残らない事象も多数存在することから、民俗学的アプローチによる記録の重要性が高まっている。
編集長を務める諸星めぐる氏は「インターネットで普及する文化の『今』を紙面に留め、より多くの人々や次世代に届けることを目標としている」と語っている。
豪華執筆陣による多彩なコンテンツ構成
創刊号は全280ページのA5サイズで構成され、価格は2,200円(税込)。巻頭では関西学院大学教授の島村恭則氏ら専門家による鼎談「バーチャル文化×民俗学研究を語りつくす」を掲載している。
注目すべきは豊富なインタビュー企画で、VTuber本人から運営関係者、研究者まで幅広い当事者の声を収録している。インタビュー対象者には、ふぇありす、九条林檎、根間うい、犬山たまき、バーチャル美少女ねむといった著名VTuberから、業界関係者まで多数が参加している。
VTuber文化の理解を深める工夫が満載
同誌では民俗学やVTuber文化に馴染みのない読者への配慮も充実している。「民俗学入門におすすめなコンテンツ20選」や巻末の「VTuber俗語集」を設け、専門用語の解説も丁寧に行っている。
特別企画として「第一回VTuber川柳大賞」も開催され、上野誠氏が特別審査員を務めるなど、文学的な側面からもVTuber文化にアプローチしている。
購入方法と書店展開について
「Hukyu」創刊号は6月30日に公式サイトで先行発売され、購入者にはインタビュー掲載VTuberのオリジナルしおりが特典として付属する。一般書店での販売は7月中旬を予定している。
現在600件を超える事前予約を獲得しており、PLAN-Bでは全国の書店との直接取引も積極的に推進している。販促イベントの開催なども予定されており、VTuber文化の普及に向けた取り組みが期待されている。
GAMABOOKSの展開とVTuber書店員の活動
発売元のGAMABOOKSは「SNS上のまちの本屋さん」をコンセプトとするオンライン書店で、VTuberとして活動する書店員が各種配信を行っている。諸星めぐる氏と燈花ふゆ氏がそれぞれYouTubeチャンネルを運営し、本に関する情報発信を続けている。
同社では今後もバーチャル文化の記録と普及を目指し、継続的な出版活動を展開していく方針だ。VTuber文化と学術研究の融合という新たな試みとして、業界内外から注目を集めそうだ。
【商品概要】
- タイトル:Hukyu(ふきゅう)創刊号
- 発売日:2025年6月30日(書店販売は7月中旬)
- 価格:2,200円(税込)
- サイズ:A5判、280ページ
- ISBN:978-4-9914263-0-8
- 発売元:GAMABOOKS(合同会社PLAN-B)
- 特設サイト:https://hukyu.jp/