『ブラックパンサー』女優が短編映画『Highway to the Moon』で初監督、ライアン・クーグラー監督の「予言」も明かす
『ブラックパンサー』シリーズで知られる女優・プロデューサーのレティーシャ・ライトが、監督デビュー作となる短編映画『Highway to the Moon』の制作過程について語った。6月4日にロンドンで開催されたSXSW London初日のトークイベントで、同作品の監督に至るまでの心境や体験を詳しく明かした。
インポスター症候群との闘い
ライトは監督業に挑戦する際、「インポスター症候群」に悩まされたことを率直に語った。「監督として準備を整えるために、自分自身を謙虚にする必要があった」と振り返り、「経験豊富で教えてくれる人たちとチームを組む必要があった」と述べた。監督用語から技術的な側面まで、一から学ぶ姿勢で臨んだという。
ライアン・クーグラー監督の「予言」
興味深いエピソードとして、『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督から言われた言葉を紹介した。「ある日、ライアンが『君はすぐに監督をするようになる』と言ったんです。私の反応は『あなた、おかしいんじゃない!』でした」とライトは笑いながら振り返った。しかし、この「予言」は数日後に有名な俳優(名前は明かされず)からも同様に告げられ、最終的に現実となった。
13歳で映画愛好家に
ライトは自身の映画との出会いについても語った。「13歳で映画愛好家になりました。Limewireで様々な映画を観ていました。当時は人見知りで、一人でいることが多かった」と内向的だった少女時代を振り返った。
キャリアへの想いと名声の重圧
現在のキャリアに対する考えについて、ライトは「遺産と目的が重要」だと語り、いわゆる名声への向き合い方を説明した。「影響を残したいし、皆さんに素晴らしい時間を過ごしてもらいたい」と自身の目標を明かした。
名声の困難な側面についても言及し、「名声の厳しい部分に対処するには、とても強い人間でなければならない」と指摘。「すべての人が常に敬意を払ってくれるわけではない。私たちが人間であることへの寛容さを与えてくれない」と率直な思いを述べた。
舞台作品への特別な思い
これまでのキャリアの中で印象に残る作品について質問されたライトは、「これまでに作り上げることができた映画の作品群に感謝している」と答えつつ、ダナイ・グリラ作の舞台『The Convert』でのジェケサイ/エスター役を特に印象深い体験として挙げた。同作品はロンドンのヤング・ヴィック・シアターで上演された。
SXSW London について
今回のトークイベントは「Women in the Room」と題されたパネルディスカッションの一環で、ロンドンのショーディッチ地区にあるトルーマン・ブルワリーで開催された。ナイジェリアのシンガーソングライター、ティワ・サベージも同パネルに参加した。
ソース;Letitia Wright on “Impostor Syndrome,” Directorial Debut, Ryan Coogler