『ジョン・ウィック』チャド・スタヘルスキー監督、10億ドル超えフランチャイズの舞台裏を語る
スピンオフ『バレリーナ』公開を前に、シリーズ創造者が明かす制作秘話と今後の展開
『ジョン・ウィック』シリーズの監督・プロデューサーであるチャド・スタヘルスキー氏が、ハリウッド・リポーター誌の独占インタビューで、10億ドルを超える大ヒットフランチャイズの舞台裏と今後の展開について率直に語った。
フランチャイズ統括権の獲得と創作プロセス
2024年、ライオンズゲートはスタヘルスキー監督に「フランチャイズ統括権」を与えると発表した。しかし監督自身は「実際にどれほどの権限があるのか、まだ手探り状態」と明かす。
「毎回、スタジオとの議論がある。私のプロセスは型破りで、物事を一度壊してから再構築する。これが人々を困惑させる」とスタヘルスキー監督は語る。従来の映画制作手法に疑問を投げかけ、「なぜ多くの映画が同じように見えるのか。それは同じプロセスを使っているからだ」と指摘した。
シリーズの成功要因と今後の展開
『ジョン・ウィック』シリーズは4作品で10億ドルを突破し、アクション映画の金字塔となった。監督は成功の秘訣について「70年代のアクション映画、中国武術映画、日本の殺陣映画へのオマージュとして作った」と説明する。
現在、複数のスピンオフ作品が制作中だ:
- 『バレリーナ』:アナ・デ・アルマス主演、2025年6月公開
- 『ケイン』:ドニー・イェン主演のスピンオフ
- アニメ映画:前日譚として制作中
- 『ジョン・ウィック5』:可能性を検討中
『ジョン・ウィック5』の可能性
第4作でジョン・ウィックが死を迎えた後、続編の可能性について監督は慎重な姿勢を示す。「キアヌ・リーブスと私は後戻りには興味がない。満足のいく物語を作れるかどうかが問題だ」と語った。
脚本家マイク・フィンチと共に構想を練っているが、「良いストーリーができれば、キアヌと話し合って形にしていく」と条件付きで制作を進めている。
アクション映画界への提言
スタヘルスキー監督は現在のアクション映画の問題点について、「ストーリーとアクションを別々に考える監督が多い」と指摘。「アクションシーンでも物語は続いている。自分でアクションを撮影しないなら、その映画は作るべきではない」と厳しく語った。
スピルバーグ、ノーラン、ガイ・リッチー、ウォシャウスキー姉妹を例に挙げ、「偉大な監督は皆、自分でアクションを撮影している」と強調した。
チャド・スタヘルスキー監督は、『ジョン・ウィック』フランチャイズの成功を背景に、ハリウッドの既存の制作システムに一石を投じている。型破りなアプローチと妥協なき姿勢が、10億ドル超えの大ヒットシリーズを生み出した原動力といえるだろう。
ソース:‘John Wick’ Boss Chad Stahelski Gets Candid About Franchise