映画界の巨匠が見せた現場への配慮、共同製作者らが賞賛
Apple TV+の新シリーズ『The Studio』にカメオ出演したマーティン・スコセッシ監督が、撮影現場で「口出しをしない」姿勢を貫いたことが明らかとなった。番組の共同製作者らが、映画界の巨匠の配慮あるプロ意識を絶賛している。
同シリーズの共同製作者兼エグゼクティブプロデューサーを務めるアレックス・グレゴリーとエヴァン・ゴールドバーグによると、アカデミー賞受賞監督のスコセッシは本人役でプレミアエピソードに出演した際、「信じられないほど素晴らしい」演技を見せながらも、他のスタッフの領域を侵さないよう細心の注意を払ったという。
10テイクの撮影中も助言を控える
グレゴリーは雑誌People誌の取材で、「彼は一つだけ意見があったが、後になるまで言わなかった」と振り返る。セス・ローガンとゴールドバーグが監督を務めたこのエピソードで、印象的なエピソードが起きた。
ゴールドバーグの証言によると、スコセッシとシャーリーズ・セロンがささやき合うシーンの撮影で10テイクを要したが、撮影終了後にスコセッシから意外な告白があったという。「『間違ったやり方だと分かっていたが、口出しをする監督にはなりたくなかったので何も言わなかった』と彼は言った。時間は無駄になったが、我々を支配しようとしなかった姿勢は評価している」とゴールドバーグは語る。
製作陣も出演実現に驚き
グレゴリーは「マーティン・スコセッシが番組に出演することに全員がかなり驚いた」と述べ、ゴールドバーグも「俳優としてのマーティン・スコセッシは信じられないほど素晴らしかったと、全員一致で言えるだろう」と賞賛した。
ゴールドバーグはさらに、「実際に彼が現れた事実に驚いた。『きっとキャンセルするだろう。素晴らしすぎる。特別すぎる』と思い続けていたからだ。彼は最高だ」と付け加えた。
番組概要
『The Studio』の3月26日に配信されたプレミアエピソード「The Promotion」では、新たにコンティネンタル・スタジオのトップに就任したマット・レミック(ローガン)が、ジョーンズタウンの虐殺を題材としたスコセッシの情熱的なプロジェクトを追求しながら、競合するクールエイド映画の制作も手がける様子が描かれる。
数十年にわたって批評家から高い評価を受けてきた映画監督スコセッシの、現場での謙虚さとプロ意識は、業界内外で大きな話題となっている。
ソース: ‘The Studio’ EP Says Martin Scorsese Was Careful Not To Be “Backseat Director” During Cameo